2週間ほど前になりますが、長寿梅がボサボサに伸びていたので挿し木をしてみました。これは挿し木のやり方の備忘録です。材料には先日植え直した素材用の長寿梅を使いました。
材料と苗床
今回の材料はこちらになります。
長寿梅はまずまず元気に育ってくれています。葉刈りも針金掛けも何にもしていないので、本当にボサボサです。枝を少し整理する意味もあって、今回はバッサリと切っていくつもりです。
左側の苗床は先日長寿梅の鉢上げをした後の苗床を使いました。土がふわふわで良さげだったのですが、もう少しぎゅうぎゅうと土を押し固めておいた方が良かったかもしれません。
長寿梅の挿し木の手順
ここからは実際の挿し木のやり方です。それほど難しいことはないです。
これまでは細い枝を挿し木にしていたのですが、今回はもう少し太い枝の挿し木にも挑戦してみます。
まずはこのひこばえ。2年前くらいに生えてきたものをほっておいたので、ただただまっすぐに伸びています。一度挿し木のために切ったのですが、切り口の下から新しい芽が伸びてくれました。それもほったらかしだったので何の芸もなくまっすぐ育っています。
もう一つはこの部分。わかりづらいのですが、非常に人工的で不自然な曲がりが付いています。これが非常にカッコ悪いのです。なので、今回この枝を切り落とすことにしました。これくらいの太さの枝を挿し木するのは初めてです。(今まではもっと細い若い枝を挿していました)
今回はこの2本を挿し木の材料とします。
挿し穂の準備
挿し穂にする枝を選んだところで、早速切っていきます。
まずはこちらのひこばえを…
バッサリと切ってしまいました。2芽だけ残してあります。芽ギリギリのところではなく、少し余裕をもたせて切り落としました。
これが切ったひこばえ。これを何本かに切って挿し穂にします。
次はこちら。不自然な曲がりが付いている部分です。
バッサリと切り落としました。こちらも芽のすぐ上ではなく、少し余裕をもって切り落としています。
これが切り落とした枝。元の部分はかなり太いです。これらも短く切って挿し穂にしていきます。
土に挿す面の加工
切り口を鉛筆の先のように切ります。加工にはカミソリを使いました。よく切れるカッターでもいいかと思います。
まずはこれ。ひこばえです。これくらいの長さに切ります。1〜2cmくらい?
挿す面をこんな感じに加工します。できるだけよく切れるカミソリやカッターを使います。切り口がスパッと、ガタガタ・ギザギザにならないように気をつけました。軸切り挿し芽と同じ感覚です。
一番下の部分。これで挿し穂の出来上がりです。
切り口を水に浸けておきます。白く濁っているのは発根促進剤(ルートン)を溶かしてあるためです。
こちらは上半分。少し長いような気もしますが、これでいきます。
先端をこんな感じに切ります。くさび形?鉛筆の先のような感じです。
こちらも先ほどの水に浸けておきます。
だいたい1芽〜2芽を残し、同様の作業をして挿し穂を作っていきます。長さは2〜3cmといったところでしょうか。
これは下側の葉を切り取りました。
断面はくさび形、葉は一枚だけ残して切り落としました。
ひこばえは終了。水に浸けて水を吸わせます。
続いて太い枝の方の準備をします。
これは根本の方。結構太いです。葉は2枚残しました。1枚でもいいかも?
これが断面ですが…
こんな風に綺麗に加工しました。
これで完成。これも先ほどの水に浸けておきます。
同様にどんどん準備していきます。
だいたい終わりました。この後1時間ほど水に浸けたままにし、挿し穂にしっかり水を吸わせました。
手順をまとめるとだいたい下記になります。
- 2芽分の長さに枝を切り
- 一番上の葉を1〜2枚残して他の葉を切り落とし
- 断面を綺麗に整える
なんとなくイメージがつかめますでしょうか?
挿し穂を土に挿していく
挿し穂を1時間ほど水に浸けてしっかり水を吸わせたら、いよいよ土に挿していきます。
これが苗床になります。挿し穂を挿す前に指で押さえ、土を押し固めました。
発根促進剤を用意しました。
串で下穴を開けます。これでは少し穴が太すぎましたので、この後は針金を使いました。馬用事でもいいと思います。
切断面にたっぷりルートン(発根促進剤)をつけます。本来は水で発根促進剤を練ってペースト状にし、それを切断面につけるのですが、面倒なので直接つけちゃってます。挿し穂の断面は濡れた状態なので、自然にペースト状になるかな、と思っています。
先ほど開けた下穴に挿し穂を挿しこみ、周囲の用土を指先で押さえて固定します。
同様にどんどん挿していきました。
いつもは斜め45度をイメージして挿し穂を挿すのですが、みんな片根になってしまうので、今回は試しに垂直に、まっすぐに挿してみました。そのせいで葉が変な方を向いてしまっていますが、まあいいでしょう。
こちらはちょうど枝分かれしたところを挿してみました。それぞれ1枚ずつ葉を残しています。
どんどん挿していきました。
全部挿し終わったところで、たっぷり水をやりました。水がすぐに抜けなかったので水につかているように見えますが、少し置いておけば水はちゃんと抜けていきます。
これで作業は終了です。お疲れさまでした!
今後の管理
今回はタイミング的にいわゆる「梅雨挿し」ですが、すぐに梅雨は明けてしまいそうです。今後の管理としては、
- 水を切らさない
- 水をやる際は直接水がかからないように、横から流し込むようにする
(挿し穂を動かさないようにするため) - あまり陽が当たりすぎない、明るい場所に置く
この3点に気をつけていきます。全部が根付くとは思っていませんが、一本でも多く根付いてくれれば、と思います。特に2番は大事かも。
しばらくしたら葉を落としてしまうと思いますが、来春に新しい葉が出てきてくれれば、と思います。
苗:長寿梅
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