昨年取り木してそこそこ元気に育ってくれている長寿梅ですが、葉もたくさん、徒長枝も1本出てきてくれました。樹勢はいいようなのでボチボチ葉刈りをしてみようかと思います。ついでに徒長枝も切ってしまい、枝を呼びます。切った徒長枝はもちろん挿し木します。
長寿梅の状態
まずは様子を見てみましょう。先日針金を掛けてそのままです。
全体はこんな感じ。ここ1〜2週間、一部の葉が黄色くなってポロポロと落ちてしまっていたのですが、それはいつものこと。その後どんどん新芽が吹いてきているので、特に問題はないかと思います。
これが一番メインになるあたり。針金を掛けた枝も特に枯れる様子はありません。針金のすぐそばの小さな芽が2つほど枯れてしまいましたが、針金を外したらまた吹いてくるかも知れませんし、欲しかった2カ所の芽は元気なので良しとします。
これは昨年生えてきた徒長枝。葉の数が半端なく、元気そうです。
こちらは下の方にだけ針金を掛けた徒長枝。特に問題なさそうです。
徒長枝を落とす
まずは徒長枝を切り落とします。作業としては至極簡単です。
まずはこちら。徒長した部分ではなく、その下、もともとあった枝を切ります。
これは以前の記事に載せた写真。予定通りこの黄色い線のあたりで切ります。
ということで、芽切りバサミでパッチン。
切った枝は切り口をメネデールに浸しておきます。
反対側、針金を掛けている方も予定の位置で切りました。
これも以前の写真ですが、この黄色い線の位置で切っています。それぞれの線の下側に大きな芽があるので、ここからの徒長枝を期待しています。
こちらも切り口をメネデールに浸けておきます。
さてちょっと困ったのはこれ、今年伸びてきている徒長枝です。これくらいの長さがあれば十分なのですが、切るべきか切らざるべきか… しばし悩みましたが、もし切らないでおくとこの枝の先端にばかり栄養が行くようになり、他から枝が出てこないんじゃないかと思い、先端だけ切って止めることにしました。予想というか予定では、一番上の芽からまた徒長枝が出てくるはずなんですが、どうなるでしょうかね?
ということで、この辺で切っちゃいました。まだ軸が柔らかいので針金は来春になると思いますが、これくらいの長さがあればいいでしょう。
徒長枝を切った後。大分こじんまりしてしまいましたが、これくらいのサイズ感が一番好きです。ここからどんどん細かく枝が出てくれればいいんですが。では、まずは葉刈りをしてしまいましょう。
長寿梅の葉刈り
タイミング的にはちょっと早かった気がします。まだ新しい葉がどんどん出てきていたので。まあもう5月なので大丈夫っちゃあ大丈夫だとは思うんですが、新しい葉が出切って濃い緑色になった頃が多分ベストなんだと思います。我ながら気が早いです。
まずはこの左側の芽。
芽摘みバサミで葉柄を切ってしまいました。
よく見ると、中心に一枚、新葉が出かかっています。これは残しておきました。全部刈っちゃう人が多いみたいなんですが、一枚も葉が残っていないとその芽はそのまま枯れてしまうんじゃないか、という恐怖心があるのです。
その下の芽も同様に。これも出始めの葉がありましたので、それを残しています。
これはさらにその下の芽。ここには新しい葉が見当たらなかったので、一番色の淡い新しい葉を一枚残しています。
続いてこちら、針金を掛けた方の一番先端の芽。ここにも新しい葉が見当たらなかったので、一番新しいと思われる淡い色の葉を一枚残して他は全部刈ってしまいました。
これはその下の芽。ここには開きそうな葉が一枚ありましたので、それだけ残しています。
幹の方に移って、同様に葉を刈っていきます。新しい葉が出てきていたらそれだけを残してます。
今年の枝も葉を刈りますが、なんだか怖くって他の枝場所よりも多く緑の葉を残してしまいました。もっと刈っちゃた方が良かったのかも?
こちらは幹の裏側なんですが、芽そのものが小さく、葉も極小なので、ほとんど刈っていません。こっちが強くなってくれればそれはそれでいいんですが、迂闊に葉を刈ってしまうとそのまま弱って枯れてしまいそうだったので、怖くて手を付けられませんでした。
これは幹の一番先端、裏側の芽です。一度葉を出してくれたものの枯れてしまったのですが、少し下から新しく芽を出してくれたのです。ここからも徒長枝が出てくれないかな、と期待しているのですが、とっても小さな芽なのでちょっと難しいかもです。
という感じで葉刈りは終了です。かなりさっぱりした、というか、このままいくつか芽が死んじゃうんじゃないかと気が気ではないくらい葉を落としてしまいました。
それぞれの芽に葉を残していますが、こういう切り方が正解なのかどうかは正直分かりません。一番先端にだけ葉を一枚残しておけば芽は吹いてくるような気もしますが、やはり怖くて全部は刈れませんでした。
そういえば。昨年今は亡きサルスベリがうどん粉病にやられた時に薬が全然効かず、業を煮やしてほぼ全葉刈りをしたところ、新しい細かな枝がたくさん出てきたのを覚えています。この長寿梅もそんな感じで新しい枝が出てくれたらいいのですが、しばらくはドキドキビクビクしながら過ごすことになりそうです。
長寿梅の挿し木の準備
さて、続いて長寿梅の挿し木の準備をしてしまいます。
この切った徒長枝2本、挿し木出来る長さに切り、葉を1〜2枚残して全部切っちゃいます。断面はカミソリでスパッと切って処理しておきます。
まずは左側の長い方から。今こうやって見るとちょっと短すぎました。が、これくらいに切って…
一枚だけ葉を残し、他の葉は全部葉柄から切ってしまいます。
断面はカミソリでスパッと。これは直角に切っていますが、後の方のは斜めに落としています。ここまで出来たらメネデールに戻しておきます。断面がちゃんとメネデールに浸かっているように気を付けました。
続いてこちら。さっきのよりちょっと長めに切っています。
長さはこれくらい。葉を一枚だけ残しています。
断面はちょっと斜めに処理してメネデールにドボンです。
次はこれくらいに切りました。
こんな感じに葉を落として…
断面を処理してメネデールへ。
こんな感じでどんどん切っていきました。
こんな感じで全部を処理。メネデールないし水に浸けるのは1時間とか2時間という人が多く、私も以前はそうしていたのですが、このブログのコメントに頂いたアドバイスに従いこのまま一晩、メネデールに浸けておきます。頂いたアドバイスでは24時間浸けちゃう、とのことでした。
長寿梅の挿し木
翌日です。実質22時間くらい?メネデールに浸けていたと思います。まずは挿し床の準備から。
これ、先日作った新しい挿し床です。これをバケツの水に用土ひたひたになるくらいに浸け、小刻みに揺すって表面をきれいに均します。下から気泡がボコボコと上がってくるので、出来るだけ気泡を出し切ってしまいます。
あとで荒れてしまうのですが、こんな風に表面が均されました。
次に発根促進剤、ルートンのペーストを作っておきます。メネデールを入れてある入れ物の蓋を使いました。ここに水を1〜2滴垂らし、ルートンを加えて針金でよく練ります。水とルートンがなかなか混ざりませんが、根気よくルートンを潰すように混ぜるとそのうちペースト状になります。
針金の切れっ端とか爪楊枝で用土に穴を開けておきます。ここで気付くのですが、いくら微粒といってもこういう粒々の用土はあまり挿し木には向かないのかも知れません。いわゆる「土」、挿し木・挿し芽用土というのがあるので、そういう方が楽かも。
ひとつめの芽。
ルートンペーストをたっぷり塗って…
さっきの穴に挿しました。挿したら爪楊枝の先とかで用土を穴に入れ、挿し穂を固定します。指先で軽く用土を押さえたりもしました。
これなんかは葉っぱ2枚、ちょっと多いと思ったので…
さらに葉を半分に切りました。
あとは一緒、ルートンペーストを塗りつけ…
下穴に挿します。
こんな感じで次々挿していきました。
全部挿したので、バケツの水で用土を締め、同時に表面を均します。
用土が液状化することで締まるのですが、挿し穂が深く沈んでしまったり変な向きになってしまったりしました。一部ピンセットでちょっとだけ深さや角度を修正し、霧吹きをかけて用土を締めました。もしかしたらバケツに浸けずに霧吹きだけでもいいのかも?
これなんかかなり斜めっちゃってます。
これはいい具合かな?この一本は結構長いはずなので、深く挿さっていると思います。
これくらいの深さが理想です。
最後に蓋を被せて終了です。お疲れさまでした!
今後の管理
まず葉刈りした長寿梅本体の方ですが、しっかり次の葉が出てくるまでは施肥はせず、水も控えめにしようかと思います。葉の量が極端に減っているので蒸散量も相当少なくなっていると思うからです。もちろん表土が乾燥してきたら灌水はしますが、しばらくの間は水は控えめにした方がいいのではないかな、と思ってます。
挿し木の方ですが、蓋がしてあるだけでなく底にある程度の水が溜まったままなので、水は当分やらなくてもいいはず。ただ、中で湿度が高くなり過ぎて蒸れてしまうのも困るので、ペットボトルの蓋は開けてあります。下からほとんど空気が入らないので意味があるかどうかは分かりませんが、閉め切ってしまうよりはマシかな、と思います。
葉刈りした本体も挿し木もドキドキですが、どちらも無事に伸び出してくれることを本当に祈ってます。特に挿し木。1本でも2本でも根がついてくれないかな、と思います。
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