23日の祝日に白花長寿梅の挿し木をしたのですが、鉢が足りず赤花の方は後回しになっていました。鉢が足りないのが分かった時にすぐに注文したところ、祝日にもかかわらず返答があり、すぐに届けてくれました。やり方は白花の時とまったく一緒なのですが、良い感じの素材があったでしょうか??
取り木をする長寿梅の様子と挿し穂の準備
今回取り木する長寿梅はこんなんです。
この長寿梅、2本寄せてあるのですが、左側の一本、手前から向こうに伸びているやつが枯れてしまっています。残念ですが右側の一本から挿し穂素材を取るしかないです。
この辺はいろいろ取れそうではあるのですが、一番大事なところに大きな傷があります。本当はこの傷のあたりで取りたかったのですが、これでは発根するかも知れないけどちょっと難しそうなので、悩むところです。
この辺もいろいろ取れる感じなのですが、小さいのをいっぱい挿すか、大きいままドドン!と挿すか。それも考えないといけないです。
ここがこの長寿倍で一番気に入らないところ。人為的に曲げたというのがはっきり分かるし、曲がりも全然いけてないのです。ここはもう最初から素材にするつもりでした。
ここも真っ直ぐでどうしようもないので、小さく切り離して挿し穂にしようかと思います。
まあこうやって見ていても、実際に切る段になるといろいろ変わってしまうので、正直あんまり綿密な計画は立てていません。どうせ忘れちゃうし(笑)。
赤花長寿梅の挿し木 – 挿し穂の準備
では早速挿し木していきます。
まずはここ、気に入らない部分を…
バチっと切ってしまいました。
断面は良さそうです。
前回同様、断面を鉛筆を削るように整え、切る時に潰れてしまった形成層を整えます。
メネデール100倍水溶液に放り込んでおきます。本当は毎回新しく作らないといけないらしいのですが、先日作ったものがまたたくさん残っているので、それを使いました。
次はこの枝なんですが…
下からバッサリいってしまいました。小さく切って素材をたくさん作るか、このまま挿すか。ちょっと悩んでこのまま挿しちゃうことにしました。ちょっと大きめの素材になりそうです。
断面を整えてメネデール風呂に入れておきます。
次はこちらの枝です。このまま挿す訳にはいかないので、いくつかに切り分けます。
まずはここでパッチン!
こんな素材が取れました。
次はどうするか… この分かれ目のところで切るか、もうひと芽残すか。
ひと芽残しました。もしこの芽が吹かなくても、この下の枝が活かせると思った次第。
こんな小さな素材になってしまいました。発根するかな?
次はこいつを…
適当なところで切りました。上に向かって伸びている枝を活かせば良いかなぁ右の方の芽が吹いてきたらまた考えることにしましょう。
って…ん?もう芽が吹いてますねぇ。ギリギリで切っちゃったのでこの芽が枯れてしまう可能性も高いですが、生き残ってくれたらこれも何かに使えるかも知れません。まあここは切っちゃってもいいか、と思っています。
こんな感じで植えたら良い感じの豆盆栽になりそうです。
断面をちょっと整形しておこうとしたのですが、イマイチ上手いことできませんでした。こんな細い枝だったらそのまんまでもよかったかも?
次はここなんですが…
裏側に骨が飛び出したような傷があるところです。
うまくバラせそうなところが結局見つからず…
バラさないでそのまま挿しちゃうことにしました。
断面を処理してメネデールに浸けておきます。
親木の方の断面は…
断面を少しだけカッターで整え、カットパスターペーストを塗っておきました。
そんなこんなでこれだけの素材が取れました。昨年やった時はもっと小さな挿し穂ばかりだったのですが、大きめの挿し穂でも発根する、むしろ大きい方が発根しやすいんじゃないかという感触があり、今回大きめな挿し穂で挑戦してみます。
挿し穂は1時間ほどメネデール100倍水溶液に浸けておきます。その間に名札とか、いろいろ準備をしておきます。
長寿梅の挿し木
前回は血を使い切ってしまったので、新しく購入してます。
黒いプラ鉢。これはホームセンターで10個100円くらいのものですが、側面にスリットが入っているので根に空気がよく回る、ということで採用しています。大きさもいろいろぴったりなのです。
そしてこちら、まるたつ磯村商店さんの朱温鉢(2号)です。朱浅鉢とかいろいろあるので気をつけないといけません。25個セットしかないので余りそうだな、と思っていましたが、すぐに使ってしまいます。
待っている間にこんなのも作っています。前回は4本くっつけたのですが、今回は2本でいけそうです。
新しい鉢なので鉢底ネットを取り付けておきます。
先にプラ鉢の方から。鉢底石の代わりの根腐れ防止剤(ゼオライト)を入れるのですが、さっと流水で微塵を流したあと、側面のスリットにかかるくらいまで壁面に沿って真ん中から持ち上げます。湿っているうちにやってしまえば崩れてくることはないです。分かりづらいですが、結果的に真ん中に大きな窪みができる感じです。
こんな感じ。もう少し持ち上げています。
真ん中から盆栽用土を入れていきます。
半分くらい盆栽用土を入れたら、残りはプロトリーフさんの「挿し芽・種まきの土」を入れます。
下1/3〜1/2くらいをバケツの水に浸けて、下から水を吸わせました。普通は微塵は洗い流すのですが、挿し穂の断面が用土に密着するよう、敢えて微塵を残しています。朱温鉢の方も同様に用土を入れて水を吸わせておきます。
まずはこの辺から。写真に撮っていませんが、挿す位置・角度に合わせて、爪楊枝で用土にした穴を開けてあります。
発根促進剤(ルートン)をたっぷり付けて…
挿し穂を挿します。挿したら(できたら)周りの用土を軽く指などで押さえて挿し穂を固定します。その後バケツの水に浸けて鉢を軽く振り、用土を挿し穂の断面に密着させます。
針金の切れ端をV字に曲げたものを突き刺し、挿し穂を固定しました。
次はこれ。横向きに生えていた枝を挿し穂にしたので、垂直に挿してしまうと枝が用土についてしまいます。これはこの写真くらいの角度に斜めに挿すしかなさそうです。
用土に下穴を斜めに開け、挿し穂の断面にルートンを付けて挿し穂を挿し、バケツの水に浸けて用土を締めます。以降やり方は一緒。
こちらも針金で固定しています。針金の周りに新芽が見えていますが、用土に近すぎて夏を越えられないかも知れません。
上から見るとこんな位置に挿しています。この後ペットボトルを被せるので、鉢の外側に枝が出ないように気を付けました。
次はこちら。
こんな感じに挿しました。
残りは全部、1つのプラ鉢にまとめて挿してしまいます。
まずこちらから。二股になっていますが、場合によっては左側は落としてしまうかもです。
こんな位置に挿しました。挿す部分がかなり短いので、これも針金で止めています。
ぱぱっと挿してしまいました。これは向きとかあんまり考えてません。かなりいい加減です。
これがイチオシでしょうか。どれも用土の上に出た切断面にはカットパスターペーストを塗って保護しています。
大小5本挿しています。2〜3本でも着いてくれたら御の字ですかね。
ということで今年の挿し木は終了です。お疲れさまでした!
今後の管理とか
先週の極寒が嘘のような、あったかくて風もほとんどない穏やかな1日でした。とはいえ朝晩はまだまだ冷えますし、強風もいつ吹くか分かりません。ということで、ペットボトルの簡易ハウスで保護します。
まずはプラ鉢。このサイズのものは2Lのペットボトルがちょうどいいのです。
場所の関係で、2つはこちらに置きました。この2つのペットボトルは両面テープでくっつけてあります。こうしておけばどれだけ強い風が吹いても飛んでいっちゃうことはないと思います。
あとひとつは先日の白長寿梅の時に余っていたペットボトルに入れておきます。なんだか鉢が向こうを向いちゃってますが、正面になりそうな方を太陽に向けています。
用土が乾いたら水をやる、という作業だけなのですが、上から水を掛けてしまうとどうしても挿し穂が動いてしまうため、鉢底から水を吸わせるようにして給水します。うまいこと根が出てきてくれたら4月くらいには葉が開いてくれると思うので、そうしたら上からジョウロで水を掛けてもいいかも知れません。様子を見ながらなので、しばらくは鉢底からの給水を続けるかも知れませんが。
昨年まずまず上手くいったので調子に乗っていっぱい挿してしまいましたが、今年はどうでしょうかね?楽しみにしていましょう。
残った親木の剪定
親木の方なんですが、中途半端にしてもどうしようもないので、盆栽としてそれなりに見られる形を目指して、残った枝を剪定してしまいます。
小さい方の一本が本当に枯れているのか、念のため根元を曲げてみました。残念ながらぽっきりと折れてしまい、断面も明らかに枯れています。これで諦めが付きました。
途中経過はなく、最終形です。※ここで切った枝も挿し穂として挿しています。
反対側から。こちらが正面になるでしょうかね。枝を切った断面にはカットパスターをたっぷり塗っています。
一応「コケ順」のようなものは出来ているように思えます。右を向いた細い枝はどこかの時点で切り戻さないとちょっと冗長に見えますが、とりあえずはこのままにしておきます。随所に新芽が見えていますので、まずは大丈夫なんじゃないかな、と思っています。
この親木なんですが、白長寿梅と一緒に植え替えしてしまおうと思っています。用土の上にぬらぬらした藻のようなものが生えてきてしまったので、用土を丸ごと入れ替えたいのです。
もし面白い太根が取れたら根伏せしてやろう、という下心ももちろんありますが…!
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