白花長寿梅の挿し木をしました!挿し木のやり方を詳しく解説!

長寿梅の挿し木のやり方 長寿梅 (チョウジュバイ)
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昨年ダメもとでやってみた長寿梅の挿し木が上手くいったので、今年も挿し木をやってみることにしました。昨年は花芽がたくさん付いていて手を出さなかった白長寿梅、今年は花芽らしいものがひとつも見られないので、挿し木で増やしてみることにします。

昨年どこを切るかチェックした様子。ぜんぜん参考にしませんでした…
昨年の長寿梅の挿し木の様子はこちらから!

取り木する長寿梅の様子

今回取り木する長寿梅はこちら。

右の青い鉢が白花長寿梅、左の白い鉢は普通の赤花長寿梅(のはず)です。今回両方とも挿し木をしようと思っていたのですが、鉢の数が足りなくなってしまったため、今日は右の白花長寿梅のみです。ざっと挿し穂に出来そうな枝を見てみます。

まずはここ、一番気に入っていて期待している部分です。下の方の傷がある分かれ目の上あたりで切って挿せばいい形になるかな、と。

真っ直ぐではありますが、直線ではないところ。この写真の下端くらいで切って挿したらいい素材になりそうです。

ここも良さそうです。左下の芽を残してやれば、またそこから枝が出てきてくれるんじゃないでしょうか。

これもいけそうかな?右下隅の芽を残せばいいでしょう。

ここは…うーん、微妙ですねぇ。枝がたくさん出てきてくれているので面白そうなんですが、仮に根がついたとして、どう展開したらいいかよく分かりません。

まあ、ぼちぼち見ながらやっていきましょうかね。

挿し穂の準備

まずは挿し穂の準備です。挿し穂っていうのは挿し木する木の枝のこと。形のいいところを選べるので、最初からいい素材が作れます。ちゃんと根っこが出てきてくれれば、ですけれど。

まずは最初のやつ、一番お気に入りの枝からです。枝を切ろうとしているこのニッパ、百均で見つけた片刃のものなのですが、向きが逆ですね。なんでこうしたんだろう?

切った時に「ぶにゅ」という変な感覚があったので切り口を見てみたのですが、ん〜…これ、枯れてますね。確かに、この左下に伸びている枝は枯れてしまっているのですが、まさかこんなに枯れているとは。

左側に少しだけ緑色の部分が見えます。おそらくこの左半分〜1/4位だけがまだ生きていて、ここから水分を補給していたんでしょうね。これでは八方根どころか、そもそも発根する気がしません。まあ9割くらい諦めつつ、一応やってみます。

いつものカッターです。刃がかなり分厚くしっかりしているので、普通のカッターよりも作業しやすいです。

カッターを使って断面を整えました。基本、表肌と中心の木質部の間の形成層と呼ばれる部分から発根するのですが、元気な形成層はほとんど残っていません。右側の表皮のちょっと内側、緑色になっている部分だけです。これは厳しいなぁ。

とりあえず、メネデール100倍溶液に放り込んでおきました。昨年は1時間ほどメネデール水溶液に浸けてから挿したので、今年も同様にするつもりです。

次はこの左に向かっている枝です。左側、色が濃いところは昨年伸びた枝ですが、2芽残して切っちゃってます。

パッチンと。小さな芽が残っているので、枯れなければここからまた枝が出てきてくれると思います。

こんなちっちゃい枝です。

断面はこんな感じ。全体的に青々としています。きっとまだ若い枝なんですね。

細かい作業ですが、これもこんな感じに断面を整えています。カッターの葉を当てて引くように切り、ニッパーで切った際に潰れてしまった形成層を整えます。ここまで出来たらまたメネデール溶液に浸けておきます。必ずしも全体を浸ける必要はなく、断面がしっかり浸かっていればOKです。

次はここかな。右上に向かって徒長枝が生えていますが、これは後で短くします。

この辺まで切ってしまいました。

びょーんと伸びています。

使いたいのはここら辺。もう芽が膨らんできちゃってますね。断面のすぐ上にある芽は生きてるかどうか分かりませんが、切ってしまいます。

こうやって持って…

芽を落として… (生きてたっぽいです)

こんな感じに整えました。芽のあったあたりはかなり硬いので、ちょっと苦労しました。

そうそう、徒長枝は邪魔になってしまうので…

3芽ほど残して切っちゃいました。欲しいのは下2芽くらいなのですが、2芽しか残さないと上の芽が吹かない可能性があるので、念のためこうしています。

切り飛ばした徒長枝、昨年伸びたばかりだし細っちいので根は付かなそうですが、もったいないので挿しておきます。

爪楊枝より細いですが、一応処理はしておきます。この太さだったら斜めに一切りするか、左右から楔形(V字型)に切れば十分ですが、ここでは何方向からか切っています。

次はこの辺かな〜。右側の枝は枯れちゃっているので、中央上に向かって生えている小さな枝を生かしてみます。

この辺で切っちゃいました。

切った枝の断面です。真ん中の白い部分が木質部、表皮と木質部の間に見えている緑色の部分が形成層です。これだけ元気なら大丈夫でしょうか。

鉛筆を削るように整えます。結構太いです。フランクフルトの串くらい?

反対側、念のために枝を折ってみましたが、完全に枯れてしまってますね。これで安心して上を切れます。

上を切り飛ばして断面にカットパスターペーストを塗っています。カットパスターは本来粘土のようなものと思っていますが、使ったことはありません。今回は「ペースト」というのを初めて使ってみます。粘度はいつも使っているトップジンMペーストと同じくらいで、比較的とろとろです。

ここで塗ってしまっていますが、これは失敗。水に浸けた時にカットパスターが流れてしまいました。実際に土に挿した後、最後に塗って断面を保護するのが正しい順番ですね。

最後はここ。どう切ろうか散々迷ったのですが…

結構長めにがっつりいってしまいました。

断面は元気そうです。

こちらも処理してメネデールにドボンしておきます。

メネデールには1時間ほど浸けておき、しっかり水を吸わせます。挿し穂の方の準備はこれでおしまいです。

そうそう、1時間待っている間に…

こんなものを作っておきました。500mlのペットボトルの底を切り、透明で分厚い両面テープで組み合わせたもの。昨年も作った超簡易ハウスです。温度を保つ、という効果もありますが、冷たくて強い風が恒常的に吹いているうちのベランダにおいては、風除けの意味合いが9割です。これがあれば風はほぼ当たらないので挿し穂も動かないし、これからしばらくの間はある程度保温効果もあるんじゃないかと思うし、水やりの時はヒョイっと持ち上げればいいだけだし。我ながらいい具合に作ったものだと思っています。

長寿梅を挿し木する

1時間ほど室内であったまり、いよいよ挿し木をしていきます。

朱泥鉢(2号)に鉢底石として根腐れ防止剤(ゼオライト)を敷き、配合用土を薄く敷きます。この辺はいつもやっている通り。

今回はこの上にメモ用紙で作った円筒を置いて…

周りに配合用土を入れます。これは円筒の内側だけ用土がない状態。

円筒の中に、「プロトリーフ 挿し芽・種まきの土」を入れて…

円筒をそーっと引き抜きました。

鉢を半分ほどバケツの水に浸けてちょっと待つと、水が上がってくるのが分かります。これで鉢の準備はOKです。

ただ…!こんな手間をかけずとも、全部プロトリーフさんの挿し木・種まきの土でいいんじゃね??と思い直し、これ以外の鉢はこんなことはせず、根腐れ防止剤の上に挿し木・種まきの土を直接入れています。

このやり方は軸切り挿し芽、極めて細い挿し芽を挿すときにもっと細かい微塵を使う際のやり方ですね。まあ、挿し木も細かい用土の方がいいのは間違い無いです。

久しぶりのご対面、発根促進剤「ルートン」です。もう消費期限が切れているので、そろそろ新しいものを買わないといけないんです。まあこんなものはおまじない程度のものだと思っているので、そのまま使っちゃいますが。

まず挿したい位置に爪楊枝で穴を開けます。この挿し穂は挿す部分が短いので、あまり深く挿さないように気を付けました。

断面とその上にルートンを付けます。断面だけでなく、軸から発根することもあるので、あえて上の方にも付けています。

これをさっきの穴に…

挿しました。挿したらまたバケツの水に浸けて用土を締めます。この時点ではやっていませんが、後でV字の針金で固定しています。

次はこちらの2本をひとつの鉢に挿すことにします。

用土は根腐れ防止剤→挿し木・種まきの土のみ。バケツの水に鉢の半分くらいを浸けて水を吸わせ、爪楊枝で穴を開けてあります。その穴に挿し穂を差し込み、周りの用土を軽く指先で押さえて固定。その後針金で固定しています。

針金の左側にある小さな突起は芽当たりかな?

針金は1mmのアルミ線を5cmくらい切り、V字(U字に近い)に半分に曲げて挿しています。ぎゅっと押し込むと結構しっかり固定してくれます。

その反対側に穴を開け…

もう一本も挿しました。こちらも針金で固定しています。この後バケツの水に浸けて軽く揺すり、用土を締めて出来上がり。

同様にもうひと鉢に残っていた4本を挿してしまいました。これ、全部発根しちゃったら多分鉢が小さすぎだと思います。まあ細い一本なんかは発根する気がしないですし、手前の一本はほとんどが枯れてしまっているやつなので、こちらも発根は難しそうです。片根でもいいから発根して欲しいんだけどな。

一部の挿し穂は針金で動かないように固定しています。

ひとつの鉢に複数の挿し穂を挿すのはあんまり良くないと思うのですが、鉢も場所も足りないので仕方ないところ。気を付けたのは、鉢の外側に枝が飛び出さないようにすることと、あまり縁に近いところに挿さないようにすること。かといって挿し穂と挿し穂が近すぎても根が喧嘩してしまうので、難しいですね。むしろ思いっきり近くに挿して、株立ちみたいなのを狙う方がいいのかも?

分からなくなると困るので、名札を刺して記念写真です。寒くて指先が悴んでいるし雪も降ってきたので、これで今日の作業は終了です。お疲れさまでした!

今後の管理とか

今週末くらいからあったかくなり始めるみたいなので、もうしばらく我慢してもらいます。

これは一番大きな挿し穂を一本だけ挿したもの。昨年の経験から、比較的太い挿し穂でも根が出てくるし、むしろある程度であれば太い方が根が出やすいのでは?と感じています。どこかのブログか何かで、芽が多い方が発根しやすい、みたいなのを読んだ記憶がありますが、もしかしたらそうなのかも知れない、と試しにやってみています。

既にいくつかの芽が顔を出し始めてしまっています。この芽が枯れないうちに発根してくれればありがたいのですが、果たして間に合うでしょうか?昨年挿し木した時もこういう芽がいくつかあったので、どうにかはなるかと思っていますが。

この2本はこういう向きで挿しています。鉢の外に枝が出ないように、かつお互いが出来るだけ離れるように、かつあまり鉢のヘリに近くならないように。本当はひと鉢一本でやりたかったのですが、鉢が足りませんでした。

これもどちらももう芽が膨らんで来ちゃってますね。頑張れよぉ〜!

最後はこちら。向こう側2本は根が付きそうですが、手前2本(一本は細い徒長枝)はちょっと難しそうですねぇ。

こいつなんかいい形なんだけどな。あ、根元に針金が刺さっていますね。

これは太い切り株に短い枝が一本だけ。でも芽が膨らんでいますし、枝の付け根にも小さな芽が見えますし、発根したら豆盆栽に出来そうな素材ですね。ぜひ頑張っていただきたい!

これはまあ、ただ真っ直ぐなだけの挿し穂ですが、枝がいい具合に出てくれればどうにかなりそうです。それか、今年の冬〜来年に針金を少しだけ掛けるか。いずれにしてもこれも豆盆栽の素材になりそうです。そんなこと言ったらみんな豆盆栽素材なのですけれど。

そうそう、メネデールに浸けた時に流れてしまったカットパスターペーストを足しておきましたよ。

先程のペットボトルをかぶせておきました。風がほとんど当たらないので、水やりの頻度はそれほど高くないとは思いますが、挿し穂を動かさないようにうまいこと水をやらないといけないですね。霧吹き使った方がいいのかしら?

長寿梅 (チョウジュバイ)
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