ここ数日で挿し木をした赤と白の長寿梅、親木の方の植え替えをしないままになっていました。用土の表面に緑色のぬらぬらした藻のようなものが繁殖しているし、癌腫病が気になっていて根の状態も見たかったので、早速植え替えをしてしまうことにしました。
赤花長寿梅の植え替え
まずは昨日剪定&挿し木をした赤花長寿梅を植え替えます。2本寄せて植えてあったけど1本が枯れちゃってるものです。
こんな具合です。
昨日切った傷がある程度巻いてくればそれなりに見れるような気もします。問題はこの用土上の苔というか藻というか、緑色のぬるぬるぬらぬらしたもの。これ多分空気が通らなくなっていると思うのです。原因はハイポネックスのやり過ぎなのではないかと想像しているのですが、正解かどうかは分かりません。今年はハイポネックスのやり方を考えないと。
鉢の縁に沿ってヘラを差し込んで抜こうとしたのですが、これが抜けません。
そうそう、鉢底ネットを忘れていました。おそらくここから木を固定する針金を通してあるので、先にこれを外さないといけないです。
ペンチでこいつを曲げたところ、すぐにスポッと抜けました。
こんな具合です。一部崩れてしまっていますが、細根が鉢に沿って回っていました。
このネジネジが針金と思われますので、切ってしまいます。
鉢底ネットを外したところ。
と!ここで…
やっちまったやっちまった!!ここにあった新芽を落としてしまいました…!!あーあ、楽しみにしてたんだけどなぁ… また出てきてくれればいいんですけれど、どうですかねぇ。
落としてしまったものはもうしょうがない、接着剤でくっつける訳にもいかないので、泣く泣くあきらめて次の作業に。
ピンセットとか竹串とかで用土を落としていきました。かなり落ちはしたんですが、ここから先に進みません。で…
ペットボトルに水を入れ、そこに根を丸ごと入れてじゃぶじゃぶ洗いました。このペットボトル、昨日挿し木をしたときに上半分を風除けの簡易ハウスとして使ったんですが、その残りです。
根元にも緑色の藻が蔓延っていますね。これは古歯ブラシで軽く擦って落としました。古歯ブラシ、一本置いておくといろいろ使い出がありますよ。
ついでに用土も擦り落としてみたのですが、なんだかこれ板根みたいになってる?
どうもこれ、植える時に根っこをグルグルと巻きつけたじゃないかな、と思えるのです。癒着までしているように思えます。最初はどうしたもんかと思ったのですが、この木の1番の景色になるんじゃないかと思えてきました。ここを見せない手はないですね。
後もうひとつ、親指のあたりの太根がまた困ったちゃんです。でもこれも落とさずに土の上に半分くらい出してやったらいいんじゃないかと思い直し、そのまま残すことにしました。
この根っこは何故かかなり上の方から出ています。なんとか見せられないかな、と思ったのですが、明らかに邪魔なだけなので落としてしまいました。
パッチン!
幹の方も片刃のニッパーで切り落としておきました。ほとんど目立たないのではないかな?
かなりテキトーに根を処理したんだと思いますが、これはこれでなんだか面白いです。
鉢を準備する間、根が乾かないように一旦水に浸けておきます。さっき切った上の方から生えていた根、根伏には細すぎると思うのですが、せっかくなのでついでに埋めておきます。さすがに生えてはこないだろうし、もし生えてきたとしてもちゃんと育つとは思えないんですが、貧乏性なので…
プラ鉢だとだいぶ余裕がありますので、こちらに植えようと思います。
念のため朱温鉢にも合わせてみます。ギリギリ入りそうな感じではありますが、今は養生というかしっかり落ち着かせたかったので、プラ鉢にします。
用土を親木に合わせて入れてしまった後、根伏せ苗に気づきました。忘れてたー!
斜めに溝を掘って適当に埋めた後、バケツの水に浸けて軽く揺らして用土を落ち着かせました。どうせ発芽しないだろうとかなりおざなりな処理です。土の上に1cmくらい出るような位置に調整しています。
さて親木の方ですが…
根っこを水平に切って減らしました。深さの調整という意味もあります。ただ、左下のちょっと太めの根は将来根伏せの苗に使えそうだったので、切らずにそのまま残してあります。2〜3年してちゃんと太ってくれたら、根伏せしてやろうと思います。
根っこを思いっきり洗ってしまったので、裏側の空間に先に用土を貼り付けておきます。逆さにして用土を流し込み、霧吹きで湿らせてやることである程度固定できます。ただ、いざ植えようとひっくり返したらばらばらとかなりの量が落ちてしまったので、あんまり意味なかったかもです。
位置角度を調整、竹串で根の位置も少しだけ調整しました。ここに用土を入れていきます。
少し流し込んでは竹串で突いて可能な限り細根の隙間に用土を入れます。完璧に入れるのは多分不可能と思いますが、竹串・爪楊枝を駆使して丁寧に作業してみました。
グルグルした根っこの景色が見えるのはこの辺かな?細い根もたくさん出ていますが、この辺りのは枯れちゃってもいいや、と思っています。
こんな感じになりました。右に伸びる太い根も出したかったんですが、埋まっちゃいましたね。
上からジョウロでたっぷりと水をかけ、用土を締めました。針金などで固定は特にしていませんが、幹を軽く突いてもぐらぐらするようなことはなかったので、これでOKとしました。
ちゃんと傷が巻いてくれたら、これでもそこそこ見られる盆栽になるような気がするんですけどねぇ。
細根があちこちに飛び出してしまっていますが、大部分は土の中にありますので、上に出てしまっている分は枯れちゃっても大丈夫でしょう。本当はちゃんと切った方がいいんでしょうけど。
それにしてもこの立ち上がり、悪くないと思うんです。細かい根がたくさん出ているのであんまりきれいに見えないですけど、ヒゲ根が枯れ落ちて太い根だけになったらまずまず面白いのではないかと。あわよくばひこばえなんかが生えてきてくれるとそれもまた面白いかも?
切った根っこの先です。こうやって見ると、土の上に出たヒゲ根はちゃんときったほうがよかったかも?まあいいか。
そこそこの量の根とダメ元の根伏をしたので、表土を水苔で覆うことにしました。
こんな具合です。水苔は親指・人差し指・中指で摘んで丸めたものを水に浸け、ぎゅうぎゅうとよく揉んで水をたっぷり吸わせた後、1〜2cmの長さにちぎって敷き詰めています。長いまんまでもいいとは思うのですが、ちぎった方が置きやすくなります。
根元もしっかり覆っています。右下の細いのは水苔に入っていた何かの根っこだと思います。
このちょっと色が違う水苔の下に根伏せの先っぽがあります。少し先を出しておいてもいいはずなんですが、全部覆ってしまっています。
もう一度、落としてしまった新芽の跡。反省ですね…
他の新芽も少しずつ膨らんできています。この芽がちゃんと開いてくれるようなら植え替え成功といったところでしょうか。これで赤花長寿梅の植え替えは終了です。
白花長寿梅の植え替え
一休みしたので白花長寿梅の方も植え替えてしまいます。状況は赤花とまったく同じで、用土の表面に緑のぬらぬらが発生してしまっています。なのでこちらも植え替えてしまいます。
赤花の親木に比べると、まだだいぶ残っている感じですね。挿し木素材がもう少し取れそうな感じですが、やめておきました。
植え替えのやり方はまったく同じですが、今回は先に鉢底にある針金を切ったり曲げたりしました。
そしたらば、何にもしていないのにスポッと丸ごときれいに抜けてくれました。
細かい根が鉢全体に回っているのが分かります。
鉢底には新しい根が回っています。植え替えにはちょっと遅いくらいでしたかね。
木を留めていた針金を切りました。で、針金を抜いて用土を崩していきます。
赤花の時よりも細い根がかなり多く、ここまで土を落とすのにもだいぶ苦労しています。
鉢底にグルグル回った走り根がめちゃくちゃ長くなっていたので…
まずそれをバサッと切ってしまいました。
ある程度土が落ちたところで水に浸けて用土を落としちゃいます。
土はほとんど落ちたんですが、全貌が見えません。いくつか太い根が見えるので、根伏せできないかと検討。
これなんかは太さ的にいけそうなんですが、どうにも角度がよろしくありません。真っ直ぐ挿すと頭が下を向いてしまうんです。うまく根伏せ出来る気がしないのです。
こんな感じ。分かりづらいかもですが。
この手前から左奥に向かって伸びる太根もいけそうなんですが、ちょっとまだ細いかな…?
ちょっと考えたんですが、こういう角度に植え付ければ根が地表に出ますよね。いわゆる根伏せではなく、根の一部を表土上に出して、そこからひこばえが出てくるのを狙って見ることにしましょうか。ひこばえが出て来なくても、太い根が何本も地表に出ていたらそれなりに見所になるんじゃないかと。
で、早速。長く伸びた根を…
切り詰めます。切り詰めるっていっても結構残ってますね。今回も将来根伏せできそうな太めの根は残してあります。
これくらいまで切りました。ちょっと遠慮がちです。いい形の根はたくさんあるのですが、いかんせんどれもまだ細い。このままあと2〜3年育てたらもうちょっと太ってくれるかな、と。形はまずまず悪くないので、根伏せ素材として期待しましょう。根を太らすにはやっぱり上をワガママに伸び放題にするのが早道なんでしょうかね。
深さを見ながら用土を入れます。
赤花の時にやったように、中心部に用土を入れて、霧吹きで固定します。周囲はともかくこの辺にうまく用土を入れられる気がしなかったのでやってみましたが、どれだけ入っているかは自信がありません。
位置・角度を調節して押さえつつ…
ちょっとずつ用土を入れていきます。ちょっと入れたら竹串で突いて細根と細根の間に用土を押し込んでいきます。
だいぶ入ってきましたが、まだまだです。途中で竹串を使っていましたが、途中で爪楊枝も使いながら押し込んでいきます。かなり念入りにやりました。
これくらいまで入れました。爪楊枝をザクザクと差し込んで、徹底的に用土を根の隙間に流し込んでいます。
ここと…
ここ。太根を土の上に出しています。
上からジョウロでたっぷりと水をかけ、微塵を洗い流しながら用土を締めました。一気に大量の水をかけてやることで、土の中の隙間に用土が流れ込んでくれることを期待しています。
細根がたくさん出てしまっていますが、残ってくれるでしょうか。まあ見えている分が全部枯れちゃったとしても、土の中にはまだたくさんの根がありますので、なんとかなるんじゃないでしょうか。
もうひとつの方。これもまあまあガコガコした形をしているので、もしひこばえが出てきてくれたら切って素材にしようと思っています。
もう1ヶ所、細い根っこが土の上に出ていました。芽が出たらよし、出なくてもよし。期待しないで待ちましょう。
ところで肝心の本体の方ですが、こんな感じになりました。気持ち懸崖というか半懸崖というか?ただあんまり「コケ順」がないずん胴な感じなので、このままではあんまりかっこよくならなそうです。
なんとなく全体的に腰高なのと、下の方に曲げた時についたであろう裂けた傷があるので、この上のあたりで取り木してしまうのがいいと思っています。
なんだか芽が吹いてきてくれそうなプチプチがたくさんあるので、この辺からいくつか芽が吹いてくれないかな、と期待しています。そうすれば上を取り木してもさらに根元を使えますので。
傷の下側にもなんだかいくつもプチプチがありますね。この辺から芽が吹いてきてくれないかなぁ。
こちらも赤花と同様、ぼちぼちと…
水苔を敷き詰めました。細根・ヒゲ根がたくさんあるので、多少なりとも保護してやります。そのうち根がしっかりしてきたら水苔を取ってしまっても枯れずにいてくれるんじゃないでしょうか。
この気はそこかしこから新芽が吹き始めてくれています。みんなちゃんと開いてくれればいいんですが、結構根を減らしているし、どうなるでしょうか。
これで長寿梅の植え替えはおしまいです。お疲れさまでした!
今後の管理とか
今日は気温はそれなりに高かったものの、また冷たい風が吹く中での作業となりました。とはいえもう3月、どんどんあったかくなってくれると思います。新芽にも開いて欲しいのですが、植え替えしたばっかりなので根もどんどん伸びて欲しいところです。
今回植え替えした2本は2年くらいはここにいてもらって、養生しつつまた素材として枝をたくさん出して欲しいと思っています。根も太って欲しいところ。
5月ごろには水苔を取ってしまい、蒸れるのを防ごうと思いますが、お天気を見ながらになります。水苔を取ったら施肥をして元気をつけてもらいましょう。
ともあれ、枯れずにちゃんと育ってくれることが何より大切です。取り木でいっぱい枝を切られ、今度は根を切られ。だいぶお疲れと思いますが、頑張って欲しいものです。
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