長寿梅 石付き盆栽の作り方 (我流ですが、難しくはありません)

長寿梅の石付きの作り方 長寿梅 (チョウジュバイ)
当ページの一部リンクには広告が含まれています。
Facebookはじめました!

長寿梅を植え直した時に切り離したひこばえですが、これを「石付き」にしてみようと思います。石付き盆栽はずっとやってみたかったのですが、今回初めての挑戦です。いろいろな本やネットで情報を探してみましたが、きちんと説明してくれているところはあまり多くありませんでした。ここではそういった数少ない情報を総合して、自分なりのやり方でやってみようと思います。ほぼ完全な「我流」ですので、これが正解かどうかは分かりません。

材料

まずは材料を揃えます。

長寿梅の苗

今回の主役です。現状こんな感じ。

曲がりをつけた針金はそのままにしてあります。正直なところ、太根に面白い曲はついていません。

拡大した写真です。将来枝になってくれそうな芽が一本伸びています。曲がり付け、失敗したかな、と思いましたが、まあこんなもんでしょうか。先端の方は枯れてしまっていますが、今は切り落としたり針金を外したりはしないでおきます。

今回のもう一つの主役、石です。数年前に購入した竜眼石を使います。細かな埃やゴミ、石の粉末などが付いていそうだったので、ひとつひとつ丁寧にブラシで洗いながら、いい形のものを探してみました。

こんなブラシがたまたまありましたので、バケツの水に浸けながらゴシゴシとこすります。

これなんかいいですね。崖っぽいです。左上の大きなくぼみにうまいこと植え付けられたらかっこよさそうです。

これも特徴のある形です。一番上に動物の顔のような出っ張りがあります。上からずーっとくぼみが流れるように続いていますので、ここに根を沿わせればダイナミックな石付き盆栽になりそうです。

これもいいですね。L字型の根元の部分、斜めに溝が走っていますので、右に向かって木を植え付けここに根を沿わせてグッと頭を下げたら、いい感じの半懸崖になるかもしれません。

これもまた独特です。なんだか女性が左を向いて膝を抱えて座っているように見えて仕方ありません。下の台座?の部分はカッコ悪いかな、とも思ったのですが、ここに根を八方に這わせ、苔を貼ったら面白いかも?と思い直しました。

こんな風にひとつひとつ洗いながら見ていくと、使いやすそうなもの、そうでないもの、いろいろありますが、それぞれに特徴があって面白いです。「ここに木を持ってきて、こういう風に根を這わせて…」なんて想像していると、いくら時間があっても足りません。

どんどん洗って干していきます。濡れると色が濃く出ます。

結局30個以上、手持ちのものは全て洗いました。手前左側に分けてある8個が使いやすそうな「一軍」として分けてありますが、これも見るたびに変わりそうです。

ケト土と水苔

長寿梅を石に貼り付ける際に使う土です。最終的にはかなり減らしてしまうことになるものですが、まずはきちんと保水をし、根が太ってしっかり石に喰い付くまでの数年、なくてはならないものです。

ラフィア

最後に水苔で全体をカバーするのですが、それを固定するためのもの。ヤシの葉を乾燥させたものらしいです。盆栽では針金掛けの際に巻いて木を保護したり、今回のように何かを固定したり、よく使われるアイテムのようです。

その他

木を石に固定し、最後に植え付ける土・鉢など。これはいつもの土を使います。

下準備

作業に必要なケト土などを準備していきます。

ケト土の準備

まずはケト土の準備です。そのままでは濡らすと泥のようになり流れていってしまいますので、細かく切った水苔と混ぜていきます。

水苔を細かく切ります。最初はハサミを使っていたのですが、ボロボロと崩れていくので結局手で細かくちぎりました。

ネット上では「あまり細かくしないように」という記述が散見されましたが、よく分からなかったので3mm程度?にちぎっています。

ほぼ同量のケト土を加え、さらにごく少量の水を加えてよく混ぜていきます。

あまりシャバシャバにならないよう、水の量を加減しながらよく混ぜます。水苔がかなり水を吸ってくれますが、入れすぎないように注意します。

最後はこんな感じになりました。この後長寿梅の植え替えを先にやってしまったので、2〜30分?このまま置いておきました。水苔とケト土がいい感じに馴染んだかな?

ネットや本では、ここにさらに同量の赤玉土(を砕いたもの)を入れる方もいるようです。私は今回は入れませんでしたが、入れてもよかったかもしれません。

石合わせ

実際にどの石にどんな風に木を付けるのか、いろいろ試してみます。

あんまり写真を撮っていなかった…こんな風に、この石、そっちの石と、あーでもないこーでもないと考えながら木を付ける位置を探っていきます。

むむっ!?先ほど「根の形がつまらない」と書いたのですが、たまたま偶然、根の形にほぼほぼピッタリ合う石を見つけました。太根はあまり曲げられず、無理をすると折れてしまうので注意が必要なのですが、これであればほんのちょっと調整しただけでうまくはまってくれそうです。

いいですね、計ったようにぴったりです。この溝に根を固定し、根が太ってくれればとてもいい形になりそうです。

これは裏側。かなり細いですがそこそこしっかりした根がありましたので、これを裏側にある細い割れ目に植えることにしました。この根は短いので石の途中で終わってしまいますが、将来ここからさらに細根が地面まで伸びてくれることを期待しています。

長寿梅の根が石をまたいでいるような格好になります。

さてここで、どこのご家庭にも一つはあるであろう精密ヤスリの登場です。石の一部、割れ目が狭すぎて根がうまくはまらないところがあるので、本当に少しだけ削って根が入る幅に広げました。精密ヤスリは百均のもので十分です。

比較的柔らかい石のようで、削るのはそんなに難しくありません。水をつけながら少しずつ削っていきました。

削り方によっては人工的な、いかにも「削りましたよ」という平面になってしまうので、やりすぎは禁物です。

石付き盆栽の作り方

さて、ここから実際に長寿梅を石に付けていきます。

ケト土を石の割れ目に塗り込む

「塗り込む」という表現が正しいかは分かりませんが…実際に根を這わせる石の割れ目や根が走るであろう場所に、先ほど準備したケト土をくっつけていきます。「割れ目にケト土を押し込む」というのが一番正しいかな?

隙間にケト土をギュウギュウ押し込んでいきます。ギュウギュウってほどの力はいりませんが。棒のように見えるのは針金の切れっ端。できるだけ奥の方まで押し込みますが、こんもり盛るのではなく、根を這わせる溝を作っていくイメージです。

これは裏側ですが…

こんな感じになりました。根を這わせていくと余分なケト土は押し出されてきます。溝だけでなく周りにも少し多めに付けているのは、保水性を高めるためです。効果があるかは分かりませんが…

長寿梅を石に植え付ける

さて、実際に長寿梅を石に固定していきます。

これが表側。ちょっと浮いているように見えますが、この後根を傷めないギリギリのところまでぎゅうぎゅうと押し込みました。

こちらは裏側。溝が深く根が細かったので、だいぶ奥まで押し込むことができました。ただ、根は石の途中までで終わっています。ここの周辺には後でケト土を多めに盛り付け、さらに伸びてくれるようにしておきます。

根元部分。根が石をまたいでいる様子が分かりますでしょうか?

表側。下にはかなり根が出ています。これだけあれば吸水は大丈夫なのではないでしょうか。

さらにこってりとケト土を盛りました。ここまでやった方がいいのか、あるいは一つ前の状態で終わった方がいいのかちょっと迷ったのですが、枯れてしまうのがなにより怖かったので、このようにしました。

根は地表に出ると早く太る、ということなので、あんまり過保護にしない方がいいのかもしれません。これだけケト土を盛ってしまうと、根が呼吸できなくなる可能性があります。

こちらは裏側。

裏側にも塗りつけました。んー、あんまりしっかりしすぎてしまうと、根が呼吸できなくなるかも…?

ケト土を付け終わりました。細根を残してありますので、ここから下を土に植えます。と、その前に…

裏表とも、しっかり水を吸わせた水苔で覆います。貼り付いてくれると思ったのですが、ポロポロ外れてしまい難儀しました。

水苔をラフィアで固定します。この時、「下から上に」巻きました。後で少しずつ解いていくためです。

完成です。これでしっかり根がついてくれたら、なかなかいい感じになりそうです。

上から見たところ。ラフィア巻きすぎ?と思いましたが、期せずしてウォータースペースができています。水をやる時はここからやればいいですね(もちろん外側にもかけます)。

石に付けた長寿梅を鉢に植え付ける

あとはこの石付き長寿梅を鉢に植え付けて終了です。が、その前に…

こちら、根の腫瘍を取り除いた際切り落としたものです。そこそこの太さがあり、形も面白いので、一緒に植え付けて根伏せにすることにしました。上の方の細根は切り落としてあります。

鉢の底に土と少量の元肥を入れ、先に根伏せする根を配置します。左上のは親木の鉢に生えてきた黒松。せっかくなので植えておきます。

根伏せ用の根の位置を整えつつ土を足し、石付きの長寿梅を据え付けます。

さらに土を足し、水をたっぷり含ませた水苔を貼って終了です。土は石の半分程度まででしょうか。水苔はどちらかというと根伏せの保湿のためですので、なくてもいいかもしれません。

これで終了です。お疲れさまでした!こうやってみるとなかなかいい形ではないでしょうか?

実は先程、石に長寿梅を付ける過程で、針金で長寿梅の向きを少しだけ直してあります。

曲がり付けをした際の針金の残りを使って、幹が正面(というか横)を向くように少し捻りました。そのままでは明らかに後ろを向いてしまっていましたので。根がしっかりしてから本格的に樹形を整えていきたいのですが、それまでに木質化してしまうと修正が難しくなりますので、悩みどころです。ひと月程度経って根が落ち着いた頃を見計らって、少し針金で少し調整するつもりです。

あとは水を絶やさないように、しばらく日陰に置いておきます。1〜2週間して落ち着いてきたら日が当たる場所に移してやろうと思います。

石付きについて

今回石付き盆栽を作るにあたりいろいろ調べたのですが、石付きと言ってもいろいろあるようです。

石付き盆栽の例

これはネットで見つけた写真です。石付きというと、このように完全に石の上に木を植えてあるパターンも多いですね。石を鉢代わりにする、という感じでしょうか。このパターンの場合、軽石を削ってくぼみを付け、そこに木を植え付ける、というケースもあるようです。

石付き盆栽の例

こちらはプロの盆栽屋さんのものです。私が今回目指しているのはどちらかというとこっちに近い?かな?石付き、というか石抱き、というか、石をしっかり抱え込んでいる感じですね。ここまで立派な根、木になるのに何年かかるのでしょうか?

石付き盆栽の例

そしてこちら。険しい石についた黒松、というのがやはりかっこいい!今回いろいろ石を見ていて、尖った険しい顔の石には松がよく似合うな、と思いました。次は黒松か赤松で石付きに挑戦したいです!

今回使った道具など

やってみると思ったより簡単に出来たような気がします。ちゃんとこのまま育ってくれれば、ですが。ここから下は宣伝ですが、興味があったらぜひやってみることをおすすめします。

長寿梅

育てやすくかわいい花も咲かせてくれるので、盆栽初心者にもオススメの長寿梅です。石付きだけでなく、根伏せや根上りなどいろいろな樹形が楽しめるのもオススメポイントです。

長寿梅の苗です。根の形は鉢から出してみるまで分かりませんが、今回作ったような小さな石付きであればこのサイズで十分ではないでしょうか。石付きにせずとも、普通の盆栽として育てるのもオススメです。

白い花が咲くものもあるようです。これもかわいいですね♪

竜眼石(龍眼石)

これを見つけるのが一番難しいと思います。大きいものはとんでもない値段が付いていますし、あまり大きくても持て余してしまうので。

私は数年前、この龍眼石を購入しました。しばらくして追加で買おうとしたところ売り切れ、その後何年も入荷がなく、最近ようやくまた入荷されたようです。形も大きさも選べませんが、ある程度使いやすい大きさのものが入っているはずなので、オススメです。というか、ネットで探す限り、他に選択肢がないようです。

盆栽用土

この記事中「いつもの土」と言っているのがこれです。

これの一番粒が小さい「ミニ盆栽用」というのを使っています。粒がそこそこしっかりしていて空気の通りも良く、保水性もありますので重宝しています。

ケト土

こちらは上の盆栽用土を買う時についでに買いました。ケト土はホームセンターなどでも大概取り扱いがあるので、入手は簡単だと思いますが、あまりたくさんは必要ないのでこれにしました。

最後に

長い記事でしたが、最後まで読んで頂いてありがとうございました。もしちょっとでも興味が出てきたら、やってみることをおすすめします。そんなにお金もかかりませんしね。

根上りを作ろうといろいろ作っていますが、石付き、思ったほど難しくないので、今後は石付きにも挑戦しようと思います。

赤松の石付き盆栽にも挑戦しました!

こちらもぜひ!ご覧ください!

長寿梅 (チョウジュバイ)
シェアお願いします♪
フォローお願いします♪
いいね!お願いします♪
まめぼん 〜mamebon〜

コメント

  1. みね より:

    こんにちは。今朝、ギンミズヒキの種を播種しました。
    桜の種はその後どうなりましたか?

    カキコミエラーのため、こちらに書きます。

    • ふうらい より:

      みねさんおはようございます。
      さくらんぼなんですが、発芽まで入ったものの残念ながら枯れてしまいました。殻は割った方が発芽率は上がりそうですが、種が腐ってしまうかも?私は記事の中で薄皮も剥がしていたように記憶していますが、これは剥がさない方がいいようです。
      そろそろさくらんぼの季節ですね。また蒔いてみようかな?

  2. みね より:

    PS; 桜の種とは去年7月のサクランボのたねです。