黒松の石付き(石抱き)盆栽の作り方 – ザル栽培の黒松を植え替えました!

ラフィアで水苔と根を押さえる 黒松 (クロマツ)
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スペース節約の意味合いもあり先週ザルに植えた赤松を植え替えましたが、続いてザル栽培の黒松も植え替えることにしました。この黒松ももうすぐ4歳、軸切り挿し芽をせずそのままザルに植え直しておいたものです。まだまだ細いですが早めの方がいいと思い、同時に針金を掛けてしまうことにしました。

今回植え替える黒松

今回のお題はこちら。ザルで育てている三河黒松6本です。

植え替えた時は10本以上あったのですが、いろいろな理由で枯れてしまい、元気で残っているのはこれだけです。

一応針金は掛けていたので曲がりは付いているものの、かなり適当、いい加減です。

これなんかもう何がしたかったのか分かりません。ザルにたくさん植わっていたので針金を掛けにくく、途中で嫌になってかなりの手抜きをしたと思われます。

では早速植え替えをしていきましょう。

植え替え前の準備

今回はややこしいことをするつもりをするつもりはなかったので、とりあえずザルから取り出します。

ザルから取り出す

植え替えをしようとしばらく水を控えていたのですが、昨日雨が降ってしまい、しかも風でかなりの量が吹き込んだので用土はしっかり湿っていました。

こんな風にザルを持ち、黒松を支えながらザルをひっくり返します。

ふと裏側を見ると細根がたくさん顔を出していました。ぱっと見る限りこれが妨げになる様子はなさそうです。

うまいこと抜けました。ここから用土を落とし、黒松を一本ずつにバラしていきます。

まずは作業台の上に何度か軽く落とし、用土を落としていきます。

指で弾いたりしながら用土を落としつつ、一本ずつバラしていきました。用土だけでなく細根がかなり絡み合い、結局は根が切れてしまうこと前提でちょっと力を入れて引っ張ったりしてようやくバラけました。

例のぐるりんのやつです。意外にも根は一番しっかりしていたりします。

これなんかはそれなりにいい曲がりが付いていると思っていたのですが、土の下には真っ直ぐな根?幹?が隠れていました。これでは盆栽になりませんので、針金掛けは必須のようです。

少なからず細根が切れてしまいましたが、どうにか6本バラせました。とりあえず全部バケツの水に浸け、次の手を考えます。

黒松に針金掛け

今回は一旦全部に針金を掛け、そのあと朱泥鉢に植えていくことにしました。

1本目

まずは1本め。

そこそこ太くなっているので、今回はこの1.5mmのアルミ線を使うことにしました。

まずは先の方をこんな形にして…

下から巻きつけていきます。いつも通り、上から見て時計回りに巻き付けます。

巻き付けながら形を作っていきます。こんな感じになりました。懸崖のような模様木のような?一旦半懸崖みたいな感じで育て、成長具合によっては懸崖にしてみようかと思います。

少しずつ調整してかっちょよく仕上げていきます。

上から見たらこんな感じ。形作る際、幹を時計回りに捻りながら曲げると針金がしっかり巻き付きます。ただあまりやり過ぎると食い込んでしまうので、適当にしておきます。

前から見たらこんな感じ。くねくねさせたくなってしまうのですが、あまりやり過ぎるとわざとらしく嫌味になってしまうのでこちらも適当なところでやめておきます。「この形で太ったらどうなるか?」という想像をしながら曲げるといいかもです。(実際は必死なのでそんな余裕はありませんが)

先端はこんな感じで。このあと余分な針金を切り落とします。針金の右側、白くなっているのは5月末に芽切りをした痕です。松脂が固まって白くなっています。

まあまあ悪くないかな?どうでしょうか?

もっといじりたくなるのをこらえて、これで終わりにします。巻き終わったら余計な針金を切り落とし、バケツの水に放り込んでおきます。

2本目

寒いのでどんどん進めます。指先がかじかんで作業しづらいです。

次はこれ。真ん中辺の曲がりがいい感じ、と思っていたのですが、土の下に隠れていた下側がまっすぐ、上側もまっすぐでどうにもしようがありません。針金必須ですね。

下の方から針金を掛け、大きめに曲げてみました。ぽきっといってしまいそうでヒヤヒヤしましたが、意外に粘っこく曲がってくれました。

そのまま上の方に針金を掛けつつ曲げていきます。いい感じに曲がりの付いていたところももう少し強く曲げてみます。

上の方に来ると葉が込んでいて難しいのですが、葉と葉の間を縫うようにうまいこと巻いていきます。葉が長くて巻き込んでしまいそうになったり、なかなか難しかったです。

どうにかこうにか、ここまで持ってこれました。ここから曲がりを付けていきます。幹を(上から見て)時計回りに捻りながら曲げていくと、針金が締まってしっかり曲がりが付きます。あまりやり過ぎると針金が食い込んでしまうので程々に。

この一本は懸崖ではなく上に向かって伸びる模様木にすることにしました。

いろんな角度から撮ってみました。本来は針金がきちんと幹に密着している方がいいようなのですが、隙間がある箇所が散見されます。まあ大丈夫でしょう。

これも芽切り(摘心)しています。枝が伸びてきてくれているのが分かりますね。枝の方は来年くらいに細い針金を掛けて形を作っていこうと思います。折らないように細心の注意を払いました。

黒松の石付き(石抱き)盆栽 – 3本目

この1本、根がいい具合に二股に分かれていたので、急遽石付きにすることにしました。

石を跨ぐように置いてみます。石の裂け目にいい具合に根がはまるので、この石に付けることにします。

裏側もまずまず石に合います。二股のところに少し隙間がありますが、これは出来るだけなくなるようにしっかり石に押し付けるようにします。

これは先週赤松の石付きを作った時の配合用土の残りです。少し水を足して使うことにします。

素焼き鉢に石を合わせてみます。途中で引っかかるものの、そこそこ深いところまで入ることが分かりましたので、この鉢を使うことにします。

用土に水を加えたのですが、入れすぎたようです。水を絞りながら使います。

表・裏とも、根が通りそうな溝に用土を塗り込んでいきます。

二股の付け根が当たる部分にもしっかり用土を貼り付けます。ゆるゆるなので根を押し付けたら用土が押し出されるはず。むしろそれくらいの方が良さそうです。

石に貼り付ける前にしっかり根を捌いておきます。途中で絡み合ったりこんがらがったりしているところを分けておくのです。

石に貼り付けます。これは表側。隙間に根が収まるように押し付けているのですが、なかなかうまく収まらず浮いてきてしまいます。あんまり神経質になってもしょうがないので、適当なところで諦めます。

これは裏側。指で押さえていないと根が浮いてきてしまいます。これは後で水苔で押さえますのでなんとかなります。

こんな感じ。細根がどこまで頑張ってくれるか分かりませんが、太根があるのでどうにか頑張って欲しいものです。

たっぷりしっかり水を浸した水苔を貼っていきます。貼るといっても乗っけるだけ、みたいになるので、指で押さえていないとポロポロ落ちてしまいます。裏側も同様に貼っていくのですが、ここからは左手は苔を押さえるだけ、右手だけの作業になります。ものすごくやりづらいです。

下からラフィアを巻いていきます。ラフィアでラフィアを押さえることで、特に縛らなくても固定されます。

下からぐるぐると巻いていき、水苔を固定していきました。同時に根も押さえつけられ、石の隙間にうまいこと収まってくれることを期待していますが、実際どうなっているかは分かりません。

上の方を縛って一旦出来上がり。ラフィアに隙間がたくさんありますが、これはこれでOKと思います。この隙間から水苔に水が浸透していくはず。

裏側はこんな感じ。

石の下にはみ出した根はこれだけでした。本当はもっと出てくれると思ったんですが、短かったようです。まあダメ元でやってみましょう。

鉢の底に5mm程度用土を入れ、マグアンプをふたつまみ程混ぜ込みます。そこに黒松を付けた石を入れます。途中で引っかかってしまいますが、引っかかるまで入れます。

周りから少しずつ用土を入れていきます。石と鉢の隙間、根の隙間、ラフィアと石・根の隙間などにしっかり用土を流し込みます。少し用土を入れたら爪楊枝や竹串の先で用土を突き、隙間にしっかり用土を流し込みます。

この作業を繰り返してこれくらい、用土を入れました。

バケツの水に浸けて細かく揺すり持ち上げる、下から出る水が透明になるまでこれを繰り返しました。石はしっかり指で押さえておく必要があります。そうしないと石が傾いたり浮いてきたりしちゃいますので。これをやると用土がしっかり隙間に入って締まってくれ、石がかなりしっかり固定されます。水苔が少し余っていたので小さくして根元に被せておきました。

本当は針金を掛けて曲がりを付けたかったのですが、一旦ここでやめておきます。といっても黒松の針金掛けの時期は2月〜3月上旬らしいので、早めに針金を掛けてしまいたいと思っています。

黒松の石付きは一旦これで出来上がり。土から取り出して根を露出させるには最低でも2〜3年かかるかと思いますが、まずは枯れないように管理ですね。

黒松に針金掛け(続き)

さて、残りの黒松にも針金を掛けて植え替えてしまいましょう。

4本目

なんとも中途半端な一本です。

ピローンと一本長い細根が伸びています。これは植え付ける時に切っちゃいます。

途中葉を巻き込みそうになりすごく邪魔なので、爪楊枝を使って葉を逃がすようにします。こちらも針金で葉の付け根を潰さないように気をつけます。

こちらも結構攻めてみました。

頂点のところはちょっと攻めすぎて少し裂けてしまいましたが、これくらいならリカバーしてくれると思います。

違う角度から。出来るだけ3Dに曲げるようにしています。

先端の処理はこんな感じ。針金の右側に枝が伸びています。

こんな感じにしてみました。

このくらいの植え付け角度でもいいかもしれませんね。上半分にもうちょっと曲がり?揺すり?を付けたいところですが、一旦このままでまた来年針金を掛け直すことにしましょうか。

5本目

次はこちら。

くるりんのやつですね。くるりんなのはいけませんが、これをうまいこと活かした形が出来るでしょうか?

根はかなりしっかりたっぷり伸びてくれているんですけどね。

そうそう、この木だけじゃないんですけども、根元にコケ?か何か緑色のが生えてしまってなんだか汚らしいので…

使い古した歯ブラシで軽く擦ってきれいにしました。バケツの水の中で力を入れず軽くこすると簡単に取れます。表面の皮は剥がれてしまいますが… きれいになったので針金を掛けていきましょう。

この辺から掛けはじめます。

クゥ〜ッ!怖い怖い!このちょろっと顔を出している枝?芽?を落とさないようにめちゃ気を付けました。どうにか芽を避けて巻けたかな?

いい感じになったかな?針金が途中までしか掛かっていないように見えますが、ここから先は芽切りしたあとに生えてきた「枝」です。ちょっと細いのでとりあえずこのままで。あとでもっと細い針金で形を作ろうと思います。

この根元の細い根は根上りみたいに地表に出したいですね。ここも見どころのひとつになってくれるかな?

この芽をどう活かしていくか悩みどころです。まあ針金が掛けられるようになるにはもうしばらくかかりそうなので、ゆっくり悩みましょう。

6本目

ラスト1本です。だいぶ疲れてますが!がんばります!

真ん中あたりにひと曲がりあります。これを活かしたいところ。

最初はこんな風に既にある曲がりを避けて針金を巻いたのですが、やはりここにもきちんと巻き直しています。

こんな感じに収まりました。

上から見たらこんな感じ。うねってます。

もともとあった曲がりのあたり。ちょっと裂けた?

全体はこんな感じ。これも半懸崖風味になってしまいました。こういうのが好きなんですね、きっと。

針金掛けはとりあえず全部終わりましたので、急いで鉢に植え付けていきましょう。

針金を掛けた黒松の植え付け

一休みして鉢に植え付けていきます。スペースを節約するために先日購入した朱泥鉢2号を使います。

まず先に鉢底ネットを針金で固定してしまいました。

なんだか針金がボコボコですが。

鉢への植え付けなのですが、バケツから適当にすくい上げて植え付けてしまったため、針金掛けの順番と違っています。ですので植え付けは順不同でやっていきます。

2本目

最初に鉢に植え付けたのは2本目のようです。

これは上に向かって植え付けて模様木にしよう、と思っていたものですね。

下に5mm〜1cm程度用土を入れ、マグアンプを混ぜておきます。そこに松を入れ、鉢をぐるぐる回して根がとぐろを巻くように収めます。ヘリのところが浮いてきてしまったら指や竹串のお尻などで下の方に押し込んで浮かないようにしています。(この時は百均のマドラースプーンを使いました)

左手で苗を押さえつつ、用土をこれくらい入れ、爪楊枝の先でつついて細根の隙間に用土を流し込んでいきます。つつくと用土がどんどん流れ込んで沈んでいきますので、隙間に入って行っているんだな、というのが分かります。ただ、やりすぎると細根が浮いてきてしまうので、ある程度用度が入り込んだと感じたらそこで止めます。つついても用土が減らなくなるのである程度分かると思いますが、あとは経験でしょうか。

また少し用土を入れ、爪楊枝の先でつつきます。

これくらいまで用土を入れました。ちょっと入れすぎたかも知れません。これを用土の上ひたひたまでバケツの水に浸け、苗を指で押さえて細かく揺すります。これで残っている隙間にさらに用土が入り込んで行くはず。持ち上げて下から出てくる水が透明になるまで、水に浸ける→揺する→水から出す、を繰り返します。

出来ました〜!あれ?植え付け角度が変わっちゃっていますね。水の中で揺する時、苗を欲しい角度で固定していないとこうなります。苗を押さえてはいたんですが、上から下に向かって押さえていたために植え付け角度が変わってしまったと思われます。

上から見たらこんな感じ。まあかっこいいからこれでいいか。

1本目

次にこちらに取り掛かります。

これです。根が一番立派です。これ、根上りに仕立ててみることにしました。

1mmの細い針金を使って根を束ねます。ぎゅっとするのではなくふわっとまとめる感じです。

本当は下に行く程螺旋が緩くなるようにしたかったのですが、どうでしょうか?

このくらいがいっぱいいっぱいです。この高さで植え付けていきます。

針金を少し調整しています。これは根をまとめるだけでなく、苗を支える役目もあります。細根が多く隙間がたくさんあるので、特に念入りに用土を流し込まないといけません。他のよりも念入りにつつきました。

用土の細かい粒がしっかり細根の隙間に入るようにがんばります。がんばりますが、さすがに全部にしっかり入るようにするのは無理かな?

バケツの水に浸けてみました。用土さらに隙間に入り込んでくれたようなのですが、その分根が余計に露出してしまったようです。

ちょっと露出しすぎなようです。

ということで、用土を追加しました。一気にかけるのではなく、少しずつ隙間に流し込む・押し込むようにしてみました。

そのままでは心許ないので、水苔で追加した用土を囲って、崩れないように壁を作ることにしました。

上の方の根はまだ露出したままなので、それも覆うように水苔をかぶせています。

こんな感じで完成です。曲がりが緩いしイマイチな気がしますが、また来年にでも掛け直せばいいかな。

5本目

次はこちら。

途中に枝があるやつです。

同じように用土を入れた鉢に入れ、根をうまく収めて用土を入れていきます。

これも細根が多くありますので、隙間にしっかり用土を入れていくことが肝要です。

位置だけでなく、植え付ける高さ(深さ)も大事。左側に飛び出している根の高さを考えているところです。

このくらいに収めました。

バケツの水に浸けて用土が締まりました。これで完成です。

最初に考えていた程は露出させませんでした。まだ細いし、この状態で一年育ててみます。用土の上に出ている根は早く太る、ということらしいので、これで育てることにします。

6本目

早くしないと日が落ちて暗くなってしまうので急ぎます。

次はこれ。半懸崖を目指します。

同様に鉢に植え付けます。途中ちょいちょいマグアンプをひとつまみ・ふたつまみ足しています。

こんな感じになりました。

こうやってみると、根元の辺りが細くなっちゃってますね。ここはもう太根というかゴボウ根のあたりなので仕方ないっちゃ仕方ないところです。これから成長して太くなってくれると安定感が出ていいのですが。

上から見たらこんな感じ。針金、ちょっと食い込んじゃってるでしょうか?春〜夏ごろ幹が太り始めたら、早めに針金を外した方がいいかも知れません。

4本目

次はこれ。

この角度で植えつけようと思いますが、もう少し左に倒して上に向けるのも悪くないかも?

細根が一本、びろーんと伸びています。これは切ってしまいました。

スッキリしたけど根の量が少ないですね。

このくらいの角度に植え付けました。どうかな?

上から見るとこんな感じ。

ちょっと裂けてますがこれくらいなら大丈夫。なはず。これで全部植え付け出来ました。本日の作業完了です!お疲れさまでした!

記念写真

最後に記念写真を撮っておきます。

石付き(石抱き)ですが、植え付けた角度が当初思っていたよりも後ろを向いてしまいました。今から修正も出来ませんので、このまま行くことにします。

太ってきたらちょっとはいい感じになるでしょうか?

これもどうでしょうかねぇ?こうやって見るとイマイチな気も。まあまた針金を掛け直せばいいですね。

これはまずまずかな?先端の枝の処理をどうするか、少しずつ構想を練らないといけないかもです。

根っこの辺りを見どころにしたいのですが、立ち上がりが単調になってしまいました。ここも次回植え替えの時にもう少し曲げたいところ。

単調な気もしますが、ぐんと立ち上がるあたりは結構好きだったりします。これは根っこを思い切り出していますが、そこがしっかりして見られるようになってくれたらいい感じになるかも知れません。

今後の管理

しばらく寒い日が続きますので、管理という程のこともなく2〜3日に一回の灌水のみで行きます。2月下旬ごろから根が動き出すと思います。新芽が伸びだせば根も動いているということですので、もうしばらく辛抱です。昨年根上りや懸崖にした松は全部枯れてしまったのですが、今回はちゃんと根がついてくれるよう祈るばかりです。

残念ながらスペースの節約にはならなかったようです… これからいろいろな種がどんどん発芽してくるはずですが、さて、置き場所どうしましょうかね…?

三河黒松の石付き盆栽、2ヶ月後の様子はこちら!

黒松 (クロマツ)
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