3月半ばに黒松をザルに植え替えたのですが、その際3本鉢上げをしました。2本は枯れてしまったのですが1本だけまだがんばってくれています。その一本、針金が食い込み始めている感じがするのと、他の2本が枯れてしまって心配なのもあり、針金を外しつつ素焼き鉢に植え替えることにしました。
懸崖鉢の黒松現状
まずは今の状態を見てみましょう。


現状はこんな感じ。途中葉刈りをしたのですが、その後も少し伸びてくれてはいます。


反対側から。


一応こちらが正面のつもりですが、まだどうするかは決めていません。下の方は葉刈りされて葉の先端が茶色くなっていますが、上の方の薄い黄緑色の葉はその後伸びて来た新葉です。ここまでは育ってくれたのですが、ここから成長が止まってしまい、新葉も薄い黄緑色のまま。あんまり元気という訳でもないようです。
黒松の針金外し


根元の辺りはこんな感じ。まだそれ程食い込んでいるようには見えませんが…


近寄ってよくみてみるとちょっと食い込んでいる気がします。これは木が太って食い込んだのか、針金を掛ける段階で食い込んでしまったのかは分かりません。


ここもちょっと食い込み気味です。まだ外すのに苦労するとか外したら思い切り傷になる、という程ではないでしょう。


下の方は鉢上げの時に1.5mmの針金を掛けたのですが、この辺から1mmの針金を改めて掛けています。なので針金が2本あります。


外すのにはちょっと厄介かも知れません。


これまでの経験から上の方から外していった方が絶対楽なので、一番上から外していきます。ここは楽勝。ニッパーで簡単に切れました。


一番先端の辺りが外れました。思ったより曲がりがついてくれています。


このちょっと下側、きちんと切れていないのですが、切れ目が入っていますので、ピンセットでグリグリ動かしながら少しずつ外します。どこかの時点で針金がパキッと折れるはず。


この辺まで取れました。針金を出来るだけ細かく切り刻むイメージで外していくのがポイントです。基本、巻きついているのを巻き戻すことはしません。


一旦ここまで外すことが出来ました。これで細い方の針金は全部外れましたので、引き続き太い方の針金を外していきます。


一番上が少し食い込み気味で幹に傷をつけずに針金を切る自信がなかったので、幹と針金の間に余裕があるあたりを先に切っちゃいました。


上の方がぶらぶらと緩んでくれたので、ピンセットで外しました。


この辺り、やっぱり食い込み始めていました。大きな傷にはなっていないので幹が太ってくれれば自然に消えるレベルと思います。


針金全部外れましたー!根元にちょっと見えるのは用土にまっすぐ突き刺さっているだけですので、すぐに抜けました。


形が戻ることもほとんどなく、いい感じに形がついてくれました。


よくみると表皮が割れ始めていますね。少しずつ松っぽくなってきている気がします。


この辺、針金の跡がついてしまいました。太れば分からなくなるとは思うのですが、2〜3年かかるかも知れません。


全景。これはこれでいい感じな気もします。今まで締め付けられていた針金がなくなったので、これから成長してくれるかも知れませんが、やはり植え替えることにします。
懸崖鉢の三河黒松を素焼き鉢に植え替え
今までいろいろ枯らしていますが、根腐れ?が多い気がします。この黒松と同時に鉢上げして枯らしてしまった黒松も水のあげすぎ?のせい、あるいは表面にピートモス、その上に苔を貼ったりして、用土の通気が悪くなった為なんじゃないかと思っています。この黒松も成長が止まってしまったので根っこの調子が悪くなったんじゃないかと思い、空気がしっかり通る素焼き鉢に植え替えることにします。


まずは爪楊枝を鉢のヘリに沿ってブスブスと突き刺し、用土を緩めます。


意外に簡単に抜けました。軽く叩いて用土を落とします。


根はこんな感じ。新しく伸びようとしている根もちょっとだけ見えますが、あんまり元気があるようには見えませんね。時期的なものかも知れませんが。


根元のここ、緑色に苔?藻?のようなものが生えています。なんとなく汚らしいのでバケツの水に浸け、使い古しの歯ブラシで軽く擦ってきれいにします。


表面の薄皮が剥がれてしまいましたが、きれいになりました。


素焼き鉢に鉢底ネットを固定し、1/3くらい盆栽用土を入れています。マグアンプの2つまみくらい入れて軽く混ぜてあります。


先端がきちんと上を向く角度を探しました。


ここでふと思いつき、爪楊枝の先を使って根を解しました。無理に解そうとすると切れてしまうので、丁寧に。完全に解れきらなくてもいい気もします。


位置と角度を合わせ、少しずつ用土を加えていきます。


根と根の隙間に絶対空間が出来てしまうので、爪楊枝や竹串で用土を突き、こういった隙間に用土を流し込んでいきます。これまでの失敗の要因のひとつにこの空間にきちんと用土が入り切っていなかったんじゃないかという気もしています。少しずつ丁寧にやればしっかり用土が入ると思います。


これくらいまで用土を入れました。この状態でももう少し用土を突いて隙間を埋めていきますが、やりすぎると今度は細根が浮いてきてしまうので適当にしておきます。


最後にバケツの水にひたひたに浸け、細かく鉢を揺すります。これで用土が隙間に流れ込み、しっかり締まると思います。水に浸けて揺すり、鉢を上げると鉢底から濁った水が出てくると思います。これを何度も繰り返し、下から出てくる水がある程度透明になったらOKです。
作業自体はこれで終了。お疲れさまでした!
今後の管理
根っこが落ち着けばまた伸び始めるとは思うのですが、それまでは枯れてしまわないように祈るばかりです。しばらくの間は灌水のみとし、本格的な夏の暑さが過ぎた頃に施肥してやろうかと思います。かなりいい感じに出来つつある黒松ですので、なんとか枯れずに育ってほしいものです。
来年もこのまま1年育てるつもりでいます。もししっかり根がついてくれたら中心部からぐんぐんと伸びてくれると思うので、もしそうなったら来年一年はそのまま伸ばし、今ぐらいの時期に芽切りをしてみようかと思っています。どうするにしても成長具合と樹勢を見ながらですが。
ギャラリー
いい感じになりつつあるので少しだけ記念写真です。


いい感じではあるのですが、根元の立ち上がりがあまりに真っ直ぐ過ぎる気もします。少しだけでも揺すりを付けたい感じですね。もっと思い切り太ってくれればこのままでもいいかも知れませんが。


この辺りはいい感じだと思います。下にグッと落ちるところが真っ直ぐですが、あまり余計なことはしなくてもいいかも?


また違う角度から。下に向かって落ちるあたり、あと1〜2年して太って表皮が割れてきたらそれなりに見られるようになるかも知れません。


この角度からだと曲がり具合が分かりやすいです。正直それ程細かい曲がりは付けていないですが、これでも太って時代が乗ってくれば見られるようになるのではないかと。何年かかるか分かりませんけどね。


この辺り、好きです。あんまり弄くり回さずにしっかり樹勢を乗せるのが肝要と思います。
早く樹勢をつけて太らせる、ということを考えていて、ふと「ザル栽培」を思い付きました。これ一本だけで大きなザルではちょっとスペースがもったいないのでやりませんが、小さなザルないしそれに近いものがあればやってみるかも知れません。
頼むから枯れないでくれ!と祈る日々が続きそうです。
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