赤松の植え替え、ザルでの育成に挑戦!

赤松の苗のザル栽培 植え替え作業 赤松 (アカマツ)
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昨年種まき〜軸切り挿し芽をした赤松ですが、軸切り挿し芽の方は散々、数十本挿して結局1本だけしか残っていません。その際に軸切り挿し芽を「しなかった」赤松がまだ10数本ありました。根を切らなかったにもかかわらず大して太くもならず、ひょろひょろです。どうやったら勢いよく成長させられるか考えていたのですが、以前ネットで見た「ザル栽培」というのを思い出しました。

ザル栽培とは?

文字どおり、ザルに松(でもなんでも)を植えて育てる手法です。ザルに植え付けることによって、根に普通よりもかなり多くの酸素が供給され、根の成長が促進される、という理屈。細根が大量に出る、というのもどなたかのブログで読みました。

今回の赤松は軸切り挿し芽をしていないものですので、正直根はゴボウ根になっちゃってるんだろうな、と思っています。今回ザル栽培することで細根が大量に出てくれれば、それなりの位置でゴボウ根を切り落として、少しでも八方根に近い状態にすることが出来ないか、というのが今回のザル栽培の目論見です。

ネットで見た作例はどれも直径20cmくらいの大きなザルに、親指くらいの太さの大きな松を一本だけ植えてあるものばかりでした。今回みたいな細い苗をたくさん植えるというのは見つけられませんでしたが、果たして上手くいくでしょうか?

素材現状

今回ザルに植え替えようとしている赤松です。

右の方の何にもないところにはもみじの種が大量に蒔いてあります。昨年の春に蒔いて一つも出てきていないのです。今年出てくる可能性があるので、一旦このままにしておきます。また、中央一番奥には五葉松が1本だけ発芽しています。これをどうするか。基本このままにしておくつもりですが…

ひょろひょろではありますが、確かに春を迎える準備をしているようです。

これなんかは脇芽が出てきているのでしょうか。1mmにもならない小さなものですが、脇芽だったらいいですね。

こっちはもっとはっきり大きい脇芽が出てくれています。この脇芽より上を切れば、ここから枝が出来てくると思います。でも今はまだ早い。

植え替え作業

早速植え替えていきます。まだまだ根は張っていないでしょうから、丁寧に根を切らずに取り出していきます。

ザルについて

植え替え先のザルはこちら。百均(セリア)で買ってきました。

14cmのものです。13cm、14cm、15cmと1cm刻みで細かくあったのですが、なぜか14cmだけ下に台座?がついていました。こちらの方がコストがかかると思うので、もしかしたら古いバージョンの売れ残りなのかもしれません。写真一番右のもの。他のものにはこの台座が付いていなかった、というのもあって、台座付きの14cmのものにしました。もちろん大きい方がいいんですが、ベランダ盆栽をしている身からするとスペースは結構重要な問題だったりします。

下準備

今回も準備って程の準備は必要ないのですが、まずはカップ麺のカップから赤松の苗を取り出します。

出来る限り根を傷つけたくなかったので、慎重に作業します。スコップで表土を取っていきますが、ザクッと突き刺したりはしません。

とその前に。この鉢にまきゴケをしたのが少し生えてきているようでしたのでこれは剥がして採っておきました。何ゴケかは分からないのですが、その辺に生えてくるのとは違う素性の良い苔のような気がします。少なくともスナゴケではないようです。

こんな感じで剥がしておきます。

ヘリの方からスコップを入れることにしました。ヘリに沿ってスコップを突き刺し、抉るようにして土を持ち上げていきます。

ぜんぜん根が張ってないので、土も赤松の苗も簡単に浮いてきます。

とやっている間に五葉松の苗がぽろっと取れてしまいました。

全く細根が出ていませんね。途中で切れた、というのでもなさそうです。これはこれで植え直さないと。しかしこんな状態ではそりゃあ成長しないわけです。

これは赤松の根。細根の先に白っぽい玉が出来ています。ここからさらに細根が生えてくるはず。もう少しずつ根が動き出しているのですね。

細根を切ってしまうこともなく、みんな取り出すことが出来ました。12本?かな?

カップに水を入れ、根が乾かないように一旦水につけておきます。下準備はこれで終了。

赤松の鉢上げ

ザルに植え替える前に、元気の良いのを2本だけ、懸崖鉢に植えておくことにしました。今植え替えればこれから根が伸びてしっかりしてくれるだろうと期待しての作業です。新芽が伸びたら根が張った証拠と思っているので、その頃針金を掛けることにします。なので今は植え替えだけ。どうしても懸崖の松が欲しいので、その準備の一つです。

1本目はこちらの懸崖鉢に。

鉢の大きさと根の長さはこれくらい。正直この苗には大きすぎる鉢ではありますが、まだ出来るだけ根を締めないで育てたいのでこれでいきます。

鉢底ネットを張って少量の用土とマグアンプを入れた後、赤松を植えていきます。根が長すぎるので少しずつ回転させながら鉢に入れていきます。途中で用土やマグアンプを少し足し、また回転させる、というのを何回か繰り返しました。根がとぐろを巻いている、というのをイメージしていますが、うまく出来ているのでしょうか。

こんな感じになりました。

鉢ごとバケツの水に浸し、たっぷり水を吸わせました。用土に水を吸わせるとしっかりと苗を支えてくれます。すぐにでも針金掛けをしたいところですが、今はここまで。下半分茶色いところ、どれくらい針金に耐えてくれるでしょうか?

しかし、これだけ見ていたら下半分の茶色いところにはゆるっとした曲がり(揺すり)だけ付けて、文人風味にするのも悪くないかな?なんて思っちゃったりします。赤松は黒松に比べて細くひょろっとしているので、文人もよく似合うと思います。よし、文人も何本か作ろう。

この苗を選んだ理由はこの芽。ここから枝が出てくるのを期待しています。

芽は1mm程度ではありますが、しっかりしています。

2本目はこちら。出来るだけ幹の白い部分が長い、かつ背の高いものを選びました。根もこれくらい長くしっかりしています。

1本目と同じく、苗をくるくると回しながら根がとぐろを巻くように入れていきます。途中ちょいちょい用土・元肥を入れながら作業します。用土を入れるとそこで根が固定されますので。途中竹串で根の位置を整えたりもしました。

一番上の細根が顔を出していますが、これくらいの位置に植えました。一番上の細根はまだまだ細すぎるので、細根が隠れるくらい、もう少しだけ用土を足しました。

出来上がりはこんな感じになりました。こちらもかなり腰高ですが、仕方ありません。

鉢はこんな模様のある白い鉢です。セットで買った中国製の安いものですが、年が経てばそれなりに見られるようになるでしょうか。

ザルへの植え付け

ではいよいよザルに植えつけていきます。

まず1/4程度まで用土を入れます。リサイクルの意味もあるのですが、もしかしたら共生菌がいるかもしれないという思いもあり、もともと植わっていたカップの用土を使っています。(共生菌がちゃんといれば白くカビが生えたようになるはずですが、そういった兆候は見られませんでした)

そこに赤松の苗を並べていきます。出来るだけ根が外に出ないよう気をつけます。

少し土を足し、赤松の位置・角度を整える。これを何度も繰り返しました。

最終的にこんな感じになりました。

ザルごとバケツの水に浸け、たっぷりと水を吸わせます。小刻みに揺すると濁った水が出てきますので、これが透明になるまで水に浸ける→上げるを繰り返し、小さな微塵を洗い流します。

こんな感じになりました。角度もまちまちになってしまいましたが、指でつついてもそれ程グラグラしないので、落ち着いたと思います。

ちょいちょい細根が外に出てしまっていますが、まあ大丈夫でしょう。

五葉松の植え付け

忘れてはいけない虎の子の五葉松の植え付けです。

真ん中辺の空いているところに、太めの竹串で深めの穴を開けます。

そこにそっと五葉松の芽を差し込み、指で押さえて固定します。この後もう一度バケツの水に浸け細かく揺すって用土を安定させました。

細根がほぼ全く生えていなかったので成長しなくて当然です。これからあったかくなるに従い細根が出てくれることを期待します。

これで出来上がりです。お疲れさまでした!

今後の管理

今後は出来るだけ陽が当たるところに置いておきますが、水切れには十分注意します。しばらくの間は1日1回、バケツの水にしっかり浸けるようにします。上だけでなく横も下も開いていますので、ちょっと風が吹いただけですぐに用土全体が乾燥してしまいます。真夏はこのまま置いておくことは出来ないかもしれませんが、梅雨が終わるまではここで培養してやろうと思っています。

ギャラリー

恒例になりつつある記念写真です。

鉢に対して赤松の幹がヒョロヒョロです。ちゃんと見られるようになるまで何年かかることやら…

どちらもまずは根付いてくれるよう、祈るばかりです。小さな鉢とはいえ、根の量を考えるとまだまだ鉢の中のスペースには余裕がありますので、今年いっぱいは自由に伸ばしてやりたいと思っています。ただ、初夏の頃には針金を掛けて懸崖の形にしてしまいたいという思いもあり、難しいところです。成長度合いを見て決めましょうか。

そうそう、最初に剥がした苔ですが、用土にぎゅうぎゅうと押し付けておきました。用土と苔の間に隙間がないことがポイントです。この苔は用土に活着するまではすぐに浮いてきてしまいますので、しばらくの間は水やりの度に指でぎゅうぎゅうと押さえつけ、活着を促します。

先にも書きましたが、何苔かは分かりませんが、素性の良い苔だと思います。これから暖かくなり、またそのうち梅雨にもなりますから、少しずつでも増えてくれれば後々使えるようになりそうです。

赤松 (アカマツ)
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