山もみじ(ヤマモミジ)の軸切り挿し芽、株立ち仕立てに再挑戦!

用土にヤマモミジを挿す 山もみじ (ヤマモミジ)
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一昨年挑戦し、一応発根はしたものの枯らしてしまったヤマモミジの株立ち仕立て、懲りずにもう一度挑戦することにしました。全部が発根する訳ではないと思いますが、たくさんまとめればそれなりに形になってくれるんじゃないかと思います。

軸切り挿し芽するヤマモミジの状態

1月に種を蒔き3月初めに発芽したヤマモミジ、だいぶ数が揃ってきました。

こんな状態です。成長度合いには差がありますが、まとめて挿せるくらいの数は揃っていると思います。

ヤマモミジの軸切り挿し芽のタイミングですが、いろいろ調べたところ、最初の本葉がパリッとしっかり伸び切ったくらい、かつ次の本葉が出る前らしいです。判断がなかなか難しいところですが、そこそこ本葉が開いてきたらまあいいんじゃないかな?

多分こんな感じが頃合いなんだろうと思います。

これなんかはどうなの?と思ってしまうのですが、今回この程度のも挿してしまっています。

もみじの軸切り挿し芽のやり方 〜株立ち編〜

では早速軸切り挿し芽をしていきます。

挿し穂を引き抜く

まずは挿し穂(挿し芽をする芽)の準備から。

いけそうな苗を指でそーっと引き抜きました。根はどうせ切ってしまうのであまり気にする必要はないのですが、軸を痛めないように、あと用土が荒れてしまわないように、少し丁寧に。

根っこはこんな感じ。引き抜く時に「ぶちぶちっ」という手応えがあったので、おそらく結構な量の根が切れてしまっていると思います。

抜いた苗は水に浸けておきました。根が水に浸かっていればいいかと思います。

こんな感じでどんどん抜いていきます。

こちらは根が綺麗に抜けた気がします。まあ切っちゃうのであんまり関係ないですけど。これで気付いたのですが、けっこう底が浅いようで、根は大体こんな感じでくねっと曲がっていました。

この一本、次の本葉が出始めてしまっていますね…。ちょっと遅かったかな?でもこれでNGという訳でもないと思いますので、気にせず進めます。

別の一本ですが、これも次の本葉が出ちゃってます。

もともと折れていたのか何かの拍子に折ってしまったのか、根本が折れているのがありました。これはちょっと早い感じだったのですが、このままではどうせ枯れてしまうので、一緒に挿すことにしました。

いけそうなものだけでなく、(左下あたりのとか)ちょっと早いかなと思うものも含め、葉が大きくなったものは挿してしまうことにし、結局25本、引き抜きました。

みんな根が水に浸かっているのを確認。

株立ちの準備(挿し穂をまとめる)

次は引き抜いたヤマモミジを束ねてまとめます。

取り敢えず、お盆の上にずらっと並べました。これから束ねていく訳ですが、中心に大きいもの、外側に行くに従って小さいものという感じにしてみました。結果的にはそんなにうまいこと行かないのは以前の経験から分かっていることなのですが、まあ気分ということで。

次に引き抜いた苗をひとつに束ね、木綿糸で縛ります。この作業が一番難しい。

まずはこんな感じでスタート。双葉の位置を合わせます。

一本また一本と加えていきます。

出来るだけ双葉の位置を合わせるのですが、本葉がぎゅうぎゅうに混み合うのでどんどん上に押し上げられていきます。最初は押し上げられたものの根っこの方を引っ張って位置合わせをしていたのですが、キリがないので適当なところであきらめました。

下側はこんな感じです。

全部まとめたところ。上の葉が混んでどうしようもありませんが、これはもう仕方ありませんし、あまり神経質になってもしょうがないのでこのまま行きます。

木綿糸をまずひと縛り。この後少し軽めに締めます。

糸を上の方にずらし、ずり上がっている苗は糸の下側の茎を引っ張ったりして、出来るだけ位置を合わせつつ糸をぐるぐる巻いていきました。

糸の終わりをまた縛って、こんな感じになりました。糸を双葉のすぐ下に持ってきたかったのですが、これくらいで妥協です。おそらく大勢に影響ないはず。こうやって見ると上の方が緩かったかも知れませんが、そこそこ固定されているので大丈夫とは思います。

軸切り

いよいよ軸を切り落とします。

今回もコルクの蓋をまな板がわりに。どの辺で切るかを考えます。糸を巻いてあるところが7mmくらいありそう。前回は糸のすぐ下で切ってしまったのですが、以前の経験から軸の横からも根が出てくることが分かってますので、あえて長めに残すことにしました。軸がぴったりくっついているよりも、隙間があった方が根が多く出るんじゃないかと思ったのも理由のひとつ。多少腰高になっちゃいますが、1cmくらい残しちゃいましょうか。

結局残したのはこれくらい。6mmくらいでしょうか?1cmはないと思います。

断面です。思ったほど軸と軸の間に隙間ができませんでした。もうちょっと暴れて隙間が出来るかと思ったんですが、このくらいの長さではこんなもんかも知れません。

ここまで出来たらひと休み。メネデール水溶液に1時間ほど浸け、しっかりと吸わせます。この間に鉢の準備をしちゃいましょうかね。

鉢の準備

鉢の方はいつもの通りです。

鉢はいつも使っている朱泥鉢を使おうかとも思ったのですが、しっかり伸び伸びと根を伸ばして欲しいかな、と思い、あえて大きなプラ鉢にしました。やってみたい実験もあるし。今考えると朱泥鉢で根を締めた方が小さく作れる気もするのですが、それはまた植え替えの時に考えます。

プラ鉢の底にはいつも通り根腐れ防止剤(ゼオライト)を敷き、流水で細かいチリなどを洗い流しておきます。

用土はプロトリーフのさし芽・種まきの土を使いました。この用土は粒がかなり小さく、細かな微塵が大量に含まれているので、挿し穂の断面にしっかりと用土が接触してくれるようで、かなりいいんじゃないかと感じています。とはいえ今年使い始めたばっかりなので、まだ様子見の段階ではありますが。

鉢底から水を吸わせ、中央に太めの竹串で穴を開けておきます。私がいつも使っているのはコンビニのフランクフルトの串。深さは断面から木綿糸の上までと、ちょっと深めです。最初に尖った方で穴を開けたあと、お尻の方で穴の底を平らにしておきました。尖った方で開けただけだと、穴の底の方が狭くなってしまうためです。

穴の周りの用土が白いのは、穴あけに一度失敗してしまったため。一旦用土を追加して穴を埋め、改めて開け直したせいです。しばらくすると周りの用土から水分を吸い取って同じような色になります。

挿し穂を用土に挿す

1時間ほど経ったらいよいよ挿し穂を用土に挿します。

1時間たった挿し穂の断面。当たり前ですが特に変化はありません。

まずは用土の下になる部分にルートンをたっぷりと付けます。この写真ではついていませんが、木綿糸にも付けました。

さらに軽く湿らせた指先でルートンを撫でて、ペースト状にしながら全体に塗っていきます。出来るだけ軸と軸の隙間にもルートンが入っていくようにしてみました。ただ、断面には基本触れないか、触れるのは最小限に、ごく軽くに留めておく方がいいです。

断面はこんな感じ。ある程度は隙間に染み込んでいってるんじゃないかと思います。いじっているうちに芽の位置が若干ずれてしまったようで、断面がツライチになっていませんが、これくらいならまあ誤差でしょう。

いよいよ挿し穂を下穴に差し込んでいきます。出来るだけ断面を傷つけないように、慎重に穴に入れます。今回は深さとか大きさが上手くハマったようで、ゆっくり挿していくと底についたような感触があったように思います。実際どうなっているかは分かりませんが。

最後にもう一度、バケツの水に用土の表面くらいまで水が来るように浸けたあと、ゆっくり引き上げます。この時いつものように細かく揺すったりはせず、また何度も浸けたり上げたりせずに浸けるのは一度だけにしました。この用土には大量の微塵が含まれていますが、水の中で揺すったり何度も出し入れすると、この微塵が全部流れてしまうためです。実際、鉢を持ち上げた時に鉢底から流れ出る水はかなり茶色く濁っていました。水もしっかり切るのではなく、ある程度たれなくなったらそこでおしまいにしました。

この作業をすることで、挿したモミジの挿し穂と穴の間にある隙間に用土、特に微塵が流れ込み、軸が用土に密着して挿し穂も固定されるはず。この「軸が用土に密着していること」と、「挿し穂が動かないようにすること」の2点が肝。もちろん今後も挿し穂には触らず、とにかく動かさないでおくことが重要です。

頑張って根元を確認しようと思ったのですが、葉が混みすぎていて見えませんでした。上手く出来ていると祈るしかないです。

ペットボトルの簡易ハウス

こちらにもペットボトルを被せますが、ただ被せただけではまた強風で飛ばされてしまう可能性があるということで、お隣の長寿梅の挿し木に被せてあるペットボトルと連結することにしました。真ん中に貼ってある四角い透明なシールのようなもの、これが何度でも貼ったり剥がしたりできる両面テープです。接着力がかなり強いけれど、頑張れば剥がせるので重宝しています。

こんな感じに貼り付けて…

被せておきました。まだ軸切り挿し芽用の鉢をいくつか作るつもりでいますが、こんな感じで連結していけばさすがに風に飛ばされることはないだろうと思ってます。

あまり考えていなかったのですが、幸いペットボトルに挿し穂が触れてはいないようです。

これから残っているヤマモミジとトウカエデ、御紅葉と御楓、そして三河黒松と、軸切り挿し芽が続きます。出来るだけ鉢の数を少なくしたいのですが、あと2つくらいは作らないといけないかも知れません。

ヤマモミジの軸切り挿し芽、株立ち仕立てはこれでおしまい。お疲れさまでした!

軸切りするヤマモミジを抜いた後の苗床。かなりさっぱりしましたが、まだまだたくさん残っています。

今後の管理とか

当面はこのまま何もしません。水も上からは掛けないで、下から吸わせるようにします。ペットボトルが被せてあるので用土はそれほど乾かないと思いますし、プロトリーフのこの用土はかなり水持ちがいいので、それほど頻繁に灌水しなくても良さそうです。

以前同様のことをやった時は約2週間で発根を確認できました。多少のずれはあるにせよ、ゴールデンウィークが終わる頃には発根しているんじゃないかと思います。

これから一旦葉が萎れてくるはず。そのあとまたグッと上を向いてくるはずなので、それまでじっと観察します。(事故を避けたいので出来るだけ触らないようにするつもりですが)

上手く発根してくれたとしても、年内はあまり触らず、来年年明け以降にどうするか考えようと思っています。何本残ってくれるか分かりませんが、来年以降植え替え、針金掛けなどするつもりです。

このままある程度の数発根して育ってくれれば、根本が癒着して一本の木、株立ちになってくれるはず。上手くいけば3〜4年でいい感じになると思うのですが、さて、どうでしょうかね?

山もみじ (ヤマモミジ)
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