盆栽用土がなくなってしまいそうだったので、新しく購入しました。しかし、しかしです。用土はともかくとして送料がめちゃ高い。重いので仕方ないとはいえ、本体より送料が高いというのはちょっと納得いかなかったので、ついでに長寿梅の苗を買っちゃいました。もう買わないって決めてたのに…
届いた長寿梅
届いた箱から用土を取り出し、長寿梅を見つけました。
濡れ新聞紙→ビニール袋で厳重に包んだものをテープで止めてありました。今まで何度もこうやって届いたはずなのですが、ちゃんと意識して見たのは初めてです。プロの梱包ですね。
梱包をはがしてみました。ん〜なんだか腰高ですね。針金を掛けて整形したような跡も一切なく、真っ直ぐ伸びているだけです。素材としてはハズレです… でもまあ、この木はあくまでも素材取り用の親木のつもりで購入しているので、これでよしとします。
細根が表土の上に出ていたり…
大きな傷が残っていたり…
幹にも裂けたような跡があります。本当にハズレですねぇ…
と言っていてもしょうがないので、植え替えていきます。
長寿梅の植え替え
まずはポリポットから長寿梅を取り出します。柔らかいので簡単です。
ポットを揉んで用土を柔らかくし、苗を取り出します。
ここまでは簡単。用土は赤玉土のようですが、下の方はかなり崩れてしまっているようです。
痛んでいたんでしょうか、一番底にあった根がズルッと取れてしまいました。
指先やつまようじを使って用土を落としていきます。かなり水分を含んでいるようで、泥のような用土もたくさんついています。
ん?なんだか根の形がおかしな感じですよ??
残った泥をバケツの水で洗い流すと、全貌が見えてきました。なんだこれ??
なんと!太い根が「レ」の字のように上を向いて生えています。どういう経緯でこうなったのかは分かりませんが、どうにも植えようがありません… もしかしたら挿し木ではなく取り木で取った苗かも知れませんね。
しばらく悩んだ挙句、この太い根を切り落とすことにしました。
木を逆さに持っています。この太い根を…
元から切り落としてしまいました。本体の根がかなり少なくなってしまうので不安ではありますが、こうでもしないとどうしようもなかったのです。
長寿梅の根伏せ
切り落とした根ですが、そこそこの太さがあって勿体無いし、何より悔しいので根伏せすることにしました。
切った根の断面です。ニッパーで雑に切ったため、表皮が剥がれてしまっています。
このままでは芽が出てきそうもないので、鋭い大きなカッターで断面を整えます。
外側からスパッ、スパッと切っていきました。結果的に鉛筆の先のようになってしまいましたが、大事なのは形成層(表皮を木部の間)が潰れていないことだと思うので、これで行きます。だいぶ短くなってしまいましたが。
ちょっと太めの硬い根が一本、上に向いて出ていて邪魔だったので、これは切り落としました。
本来長寿梅本体を植えるつもりだった鉢に植えつけます。下には用土とマグアンプが入っています。
本来もっともっと根を捌いてよかったのですが、そのまま植え付けてしまいました。細根が多くなかなか用土が入っていかないのですが、根気よく突いて細根の間に用土を入れていきました。
かなりの量の細根が表土上に出てしまいましたが、根はたくさんあるのでこれでよしとします。
周りからぐるぐると濡らした水苔を置いていきます。
最終的に長寿梅の上にもしっかり水苔をのせました。この水苔は乾かさないよう、霧吹きで頻繁に水をかけるようにします。根伏せはこれで完了です。
長寿梅の植え替え
残った本体の方も急いで植え付けてしまいましょう。
根っこはこれだけしかありません。枯れてしまうのは覚悟しています。
しかし本当に腰高、というかひたすらまっすぐです。「レの字」をカバーするためでしょうか、かなり深く植えてあったようです。しかもその土中にある幹まで真っ直ぐという…
と、根っこの上のあたりに白いぽちぽちがたくさんあるのを見つけました。これ、多分根っこが出てくるんだと思うのですが、これを表土上に出してやったらここから芽が吹いてくるんじゃないか?と思い立ちました。
くるくる回してみると、結構な量のぽちぽちがあります。もしここも土中に植えておいたら根が出て来そうなものですが、ここは新芽が出てくることを期待して表土上に出します。
先ほど根を落としたところにはルートンを水で溶いたものをタップリ塗りつけました。後で気づいたのですが、この時この断面の処理をしていなかったと思います。根伏せの先端にした時と同じように、形成層を整えてやるべきでした。
朱泥鉢の数も心もとなくなって来たので、空いていた懸崖鉢を軽く洗って使うことにしました。この下にはいつもの通り盆栽用土とマグアンプが入っています。1/3くらいでしょうか?
途中マグアンプを足しつつ、用土を入れていきます。量は少ないとはいえ細根がたくさんありますので、丁寧に用土を押し込んでいきました。
最後に木を押さえながらバケツの水でゆすり、用土を締めました。この時ほんの少しだけ木の角度を調整しながら揺すりました。こうすると少しであれば植え付け角度を調整できます。
長寿梅本体の植え替えはこれで終わりです。お疲れさまでした。
状態の確認と今後の管理
今回植え替えた長寿梅です。
根伏せの方は見てもしょうがないので、本体の方を見ておきます。こうやって見ると、それほど悪くもないのかも?
ぽちぽちは思ったより少ないです。思ったより深く植えてしまったようです。でももし枯れずにここから芽が出てくれたらこれ幸い、まっすぐでどうしようもない幹の上の方で取り木を掛けてやろうと思っています。
またこのぽちぽち、土中にもある程度あるはずですので、そっちからは根が出てくればそれはそれでまたよしです。
新しい葉が出始めてくれているのですが、さて、どうなるでしょうか。
根伏せは明るい日陰、本体はほんの少しだけ陽の当たる場所に置いておくことにします。本体の方は一度は葉を落としてしまうかも知れませんが、根気よく世話をしていきます。一度葉が落ちた後新しいのが出て来てくれればいいのですが。もし枯れずに頑張ってくれるようなら、真っ直ぐ伸びてしまった枝をいくらか切り戻そうと思っています。
根伏せの方はさっき書いた通り、水苔を絶対に乾かさないように、日陰に置いて毎日霧吹きで水をかけます。早ければ5月中、遅くとも7月くらいには芽が出てくれるのではないかと思っています。もし芽が出てくれれば、の話ですが。
期せずして苦労した長寿梅ですが、新しい楽しみもできました。特に根伏せ。芽が出て来てくれたら本当に嬉しいですね。
※この配合用土の「ミニ盆栽用」というのをいつも使っています。
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