長寿梅の挿し木(緑枝挿し)と葉刈りをしました!(1)挿し木編

挿し穂の準備 長寿梅 (チョウジュバイ)
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早くも梅雨に入ってしまい、梅雨らしい日もちょいちょいありますが、そろそろ徒長枝を整理して葉刈りもしてしまうことにしました。葉刈りのタイミングは人によってまちまちなのでなんとも言えないのですが、樹勢も旺盛なのでまあいいかな、とやってしまいました。

長寿梅の様子

この作業は6/5に行いました。長寿梅はこんな感じ。

まずは2本植えの長寿梅です。徒長枝がかなり走っていますが、先端の方の葉はまだ開いたばかり。濃い緑色にはなっていません。ですので、この徒長枝を挿してもうまく根が付くかどうかは分かりません。先端の方はまだ軸も柔らかく、さすがに厳しいかも?

この角度の方が分かりやすいでしょうか。新しい枝が走りまくっています。これを2〜3芽残して切ってしまい、全体の形を整えます。切った徒長枝はもったいないので挿し木し、葉が混みすぎているので葉刈りもしちゃいます。

徒長枝の状態はこんな感じ。緑枝挿しとはいいますが、緑色ではなく少し赤みがかった茶色?になって来ています。もっと先の方は本当に緑色なのですが、挿し木するならこれくらい色が変わったくらいの方が良さそうな気がします。表皮がそこそこ固まって、腐りにくくなるような気がするのです。実際のところは分かりませんが。

そしてこちらは白花の長寿梅。この花は本当に綺麗なので、是非とも増やしたいところ。手のひらに乗るような(出来れば指先に乗るくらい小さな)盆栽に、白い花が一輪、なんて最高じゃないですか?

徒長枝の成長具合は似たようなもんです。先端はまだ新しい葉が出て来ている途中、付け根の方は少し色が赤茶を帯びて来ています。

長寿梅の挿し木(緑枝挿し)のやり方

挿し穂の準備

そこそこ数がありそうなので、ちゃっちゃとやってしまいましょう。

付け根を除いて、3芽残して切ってしまいます。1芽〜3芽くらいの間で、葉の生えている方向に新しい枝が出てくる”はず”なので、「こっちに伸びて欲しいな」と思う方向に葉が生えている芽を選び、その上で切ります。あんまり長く残しても形が崩れてしまいますので(あとで針金を掛けるとか、何か意図があるなら別ですが)。外側に向かって枝が伸びるようにすると、上手いことふわっとした樹形が作れると思います。あとで針金でどうにでも修正出来るし、そんなに神経質にならなくてもいいかもですが。

切った枝は取り敢えずメネデール水溶液に浸けておきます。このあと挿し穂として準備したあと、もう一度しっかりと浸けますが、枝葉が萎れてしまうのを防ぐために放り込んでおきます。

これくらいの徒長枝を…

この辺で切っちゃいました。一番上の葉が外側(左側)を向いているのが分かりますでしょうか。将来ここから枝が出て来た時に、外側に向いて枝が出てくれることを期待しています。

枝を切った後の断面にはトップジンMをてんこ盛りに塗っておきました。これは傷口に菌が入り込まないように、かつここからの不要な水分の蒸発を防ぐ意味もあります。意味があるかどうかは分かりませんけど。

こんな枝は…

この辺りで切っています。芽が左右ではなく上下に出ているので、上を選びました。

もうひとつ、白花用にビンを準備しました。これもただの水ではなくメネデール水溶液です。白花と赤花を分けたかったので、別々に浸けることにしました。

徒長枝を切り終わったら、挿し穂の準備に取り掛かります。難しいことは何にもなく、4芽分切って葉を減らす、という作業です。

切った徒長枝を…

下から4芽分残して切ります。切った上の方はもう一度メネデールに浸けておきます。

下2芽分の葉を落とします。上の方の葉は大きすぎたので、半分くらいに切っています。

下の切り口はハサミで切ったので…

カミソリでシュッと引くように切り、断面を整えました。ここまで出来たらもう一度メネデール水溶液に突っ込んでおきます。断面がしっかり浸かるようにすることがポイントです。こんな風に、葉の数を減らし、断面を整える、という作業を繰り返します。

断面の拡大図です。意識してちょっと斜めにしています。これはおそらく付け根近くのものでしょう、軸の色がもう緑ではありません。

まだ処理していないものもありますが、だいぶ進んだところです。

何本かは沈んでしました。種子ではないので沈むかどうかは関係ないはずですが、なんとなく期待しちゃいます。

挿し穂の準備が出来たらこれを1〜2時間メネデール100倍駅に浸けておきました。今回は途中で出かけたこともあって、6〜7時間浸けていますが、多分そんなに浸けておかなくてもいいんじゃないかな?

こちらは白花の長寿梅。分けて挿したかったので、別のビンに入れています。

同じように作業して挿し穂を作り、メネデールに浸けておきました。

挿し床の準備

挿し床にはこちらを使います。

以前ヤマモミジやトウカエデを挿したもの。残念ながら全滅です。

まず用土を半分ほど掻き出しました。かなり目の細かい用土で、いわゆる微塵も大量に入っているので、泥のようになっている部分も結構ありました。保水性は非常に高そう。

こんな感じ。

ここに新しい用土を足しました。古いもののままでも良かったんじゃないかとは思いますが、念の為。

これを鉢の半分ほどバケツの水に浸けて、新しく入れた用土にしっかり水を吸わせたら挿し床の準備は完了です。

シューっと水を吸ってくれます。どっぷり浸してしまうと微塵が流れてしまうので、少し待って下から水を吸わせました。

長寿梅の挿し木のやり方(緑枝挿し)

準備した挿し穂にたっぷりメネデール水溶液を吸わせたら、ちゃっちゃと挿し床に挿していきます。

まずこの挿し穂から。ざっと見て一番太くて色が濃いものを選びました。

挿し穂をひっくり返し、下穴の深さを測っています。爪楊枝で大体このくらい、と深さを決めて…

その深さまで下穴を開けます。爪楊枝を少しだけぐりぐりして穴を広げ、穴が崩れないように爪楊枝を回転させながら引き抜きます。

切り口と少し上の方までルートンをたっぷり付けます。これは付けた後指で少しだけ押さえたので、軸についていた水分と混ざって若干ペースト状になったもの。それを少し上の方まで塗っています。

それをさっきの下穴に差し込みました。挿し穂が結構長く(4〜5cm?)、かなり深く挿しています。

次はこちら。太くて色が茶色がかっているものを選んで挿しています。

これなんかはかなり長いです。

出来るだけたくさん挿したかったので、かなり密に挿しています。実際発根して根が回るまでにはだいぶ時間もあるでしょうし、最初のうちは根の量も少ないはずなので、これくらいでもいいかな、と。

ふと「軸の途中からでも発根するかも?」と思い、途中から軸のかなり上の方までルートンを塗るようにしています。

結構たくさん挿したつもりなんですが、どうでしょう?

絶対に分からなくなるので名札を刺しておきました。この後、軸に密着するようにジョウロで上からたっぷり水をかけ、用土を締めておきました。今までのやり方と違い、今回は軸をかなり長く取り、深く挿していますので、上から水をかけてもそう簡単には揺らがないと思います。とはいえ、ジョウロで水をやる時は少し高い位置から、水が柔らかく当たるように気を付けています。

葉の色が淡い先端の方が数本残ってしまいましたので…

こちらの挿し床に挿しました。用土は同じプロトリーフのものです。

同じように白花長寿梅の挿し穂も…

順次挿していきました。

軸が緑のものも混じっていますが、白花の方はこれくらい。

深挿しにしてはいるものの、土の上に出ている部分も長いですね。

こちらも最後にたっぷりとジョウロで水をやり、用土を締めておきました。

白花の方も同様に、残ったものはこちらの挿し床に挿しています。分からなくならないよう名札も付けています。

これで長寿梅の軸切り挿し芽(緑枝挿し)は終了です。お疲れさまでした!

今後の管理とか

今後は水を切らさないのはもちろんなのですが、挿し穂を動かさないことも重要です。うっかり触ってしまわないように気を付けないといけません。そしてこれも風が大敵なのですが、我が家は風がすごいのです。ここ最近マシにはなって来たものの、ビュービューと吹きます。そこで…

やっぱりペットを被せました。今までのものだと絶対に中が蒸れてしまうので、上をさらに切り取っています。下には竹串を置いてちょっとだけ隙間を作っているので、これなら蒸れることはさすがに無いんじゃないでしょうか。ただ、上の口が少しだけすぼまっているので、強い風が吹いたり風向きによっては風を巻き込んでしまう可能性もあります。まあないよりマシだと思ってやってみます。

本来挿し木(緑枝挿し)も葉刈りも、タイミングとしては「徒長枝の伸びが止まり、葉が緑色に固まった頃」らしいので、まだ枝先の葉が薄い黄緑色の今ではちょっと早いのですが、樹勢も旺盛なのでなんとかなるんじゃないかな、と思いやってしまいました。

今年は長寿梅の挿し木(古枝挿し)が成功しているので、こちらもうまくいってくれるんじゃないかな?と期待しています。

引き続き、葉刈りもやっちゃいましょうかね。

水苔を敷く

この作業をした翌日のことですが…

乾燥を少しでも防ごうと、全体に水苔を敷いておきました。

もちろん、白花赤花両方の鉢に、です。

水苔は出来るだけ小さくちぎって、軸と軸の隙間に敷き詰めてあります。

場所によってはピンセットを使い、出来るだけ隙間なく敷き詰めるようにしてみました。水苔は多分なくてもいいんですが、なんとなくおまじないです。

長寿梅 (チョウジュバイ)
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