採り蒔きというにはちょっと遅く、春蒔きというには早すぎる微妙な季節ですが、ぼちぼちと手持ちの種を蒔き始めることにしました。出来るだけ冬の寒さに当てて、発芽を促したかったのです。まずは手始めに、同じ場所で採取した種を蒔くことにしました。
種蒔きの準備
今年も何種類かの種を入手出来ました。今年〜来年はあまり種類を増やすことはせず、いくつかのものをじっくり育ててみることにしました。まずは昨日(種蒔き前日)、しっかり水に浸けて準備します。
まずはヤマモミジ、と思っていたのですが、親木の葉っぱが小さめだったので、イロハモミジの種ということにしました。まずは羽根をちぎります。黒松と違ってポロッと取れる訳ではないので、爪の先で千切るように羽根を取りました。全部で105個。これを水に沈めて選別します。
ひとっつも沈みません。明日の朝には多少は沈んでくれていると思うのですが、ちょっと心配。
続いてこちら、カエデの種です。たぶん。モミジの種よりも一回り大きい感じです。
手前の赤っぽいのはノムラモミジの種。どちらも羽根をちぎって取ります。
トウカエデの種を水に浸けます。ひとつだけ沈んでくれました。これも明日の朝まで浸けてみて様子を見てみます。
こちらは水沈選別した黒松の種のうち、沈んだもの。先日選別したものとはまた違う場所で入手したものです。
さすがに間違えないだろうと思い、トウカエデと同じ入れ物に入れてしまいました。が、これもひとっつも沈みませんでした。こないだ沈んだんですが、もしかしたら乾燥してしまったかな?
手前のガラスの入れ物にはノムラモミジと黒松の種を入れています。黒松は水沈選別をしたときに沈まなかったもの。発芽率はかなり低くなるものの、絶対発芽しないということもないので、ダメ元で蒔いてみます。
さて、翌朝です。どうでしょうか?
ノムラモミジは全部沈んでくれました!でも黒松はやっぱりダメでしたね、沈んでくれませんでした。
黒松とトウカエデはあんまり成績が良くありませんでした。黒松は選別して沈んだもののはずですが、乾燥してしまったのか沈まないものもいくつかありました。トウカエデはぜんぜんです。10個中3個しか沈みませんでした。
そしてこちら、イロハモミジです。わかりづらいですが、結構沈んでいます。半分〜6割くらいかな?めんどくさくて数えていません(笑)
沈まなかった種は指ですくい取って、キッチンペーパーの上に置いて水分を取っておきます。濡れたまま撒いてもぜんぜん問題ないのですが、指にくっついたりして蒔きにくいのでこのようにしています。
さて、早速種を蒔いていきましょう。
2022年に向けた種蒔き1回目(イロハモミジ・黒松・トウカエデ・ノムラモミジ)
まずは鉢を用意します。スペースの関係であまり数を増やしたくもないし、出来るだけ小さめの鉢を使うことにしました。
植木鉢
植木鉢、今回はこの3つを使います。左の黒いプラスリット鉢はイロハモミジ、小さな朱泥鉢にはノムラモミジ、黒松とトウカエデを蒔くことにしました。
用土とか
今回、用土は新しいものを試してみることにしました。
今回使用する用土はこちら、プランテーションいわもとさんの「盆栽混合土(厳選5L)」を使います。粒の大きさは一番小さい「極小粒」にしました。こちらプランテーションいわもとさんでは「茨城県産硬質赤玉土」というのを扱っているのですが、この硬質赤玉土というのが粒が硬くて崩れにくいということで、前々から興味を持っていました。バラでいろいろ買って自分で混ぜて使うことも考えたのですが、このお店で混合用土を作ってくれているので、それをそのまま使うことにしました。
今回せっかくなので
こちらも買っています。「桐生砂極小粒」というもの。これも5Lです。これは、先の混合用土と50:50くらいで混ぜて、松系に使おうと思って買ったもの。でも混合用土を見てみると、そんなことしなくても良さそうです。
今回はこの桐生砂は使いません。松がそれなりに育って植替え(鉢上げ)をする時に使ってみようと思います。
あとはこれ、鉢底石として使うゼオライト。プロトリーフの根腐れ防止剤を使いました。他の安いゼオライトと違って、プロトリーフのは真っ白できれいなので気に入っています。まあ植木鉢に入れてしまえば見えなくなっちゃうんですけどね。これを鉢に入れていきます。
鉢の準備と種蒔き
まずは鉢底石としてゼオライトを入れていきます。
朱泥鉢の方は鉢底ネットが見えなくなるくらいまで入れます。黒いスリット鉢の方は、適当な量入れたあと、真ん中から四隅にゼオライトを寄せて、四隅のスリットが隠れるようにしました。このスリットから空気が入って根に酸素が補給されるということなので、このスリットを塞がないようにこうしています。
分かりづらいですが、さっと流水を上から流し、白い粉を洗い流しました。こんなことしなくてもいいのですが、できる限り目詰まりの要素をなくしたかったのです。
まずは黒プラ鉢から。先ほどの混合用土をこれくらい入れます。線から下、1センチくらい開けています。
沈んだイロハモミジの種ですが…
指先ですくってキッチンペーパーに乗せ、水気を切ります。
イロハモミジの種を蒔いていくのですが、今回はいつものようにきれいに並べるのではなく、ランダムにパラパラと落としていきました。
最終的にこんな感じになりました。
かなり密に蒔いているのですが、まとまって生えてきたらそこだけうまく取り出して寄せ植え風にしたり、上手くすれば双幹や三幹、あるいは株立ちのように癒着してくれないかな、という考えからこうしています。弱い子は他のに負けて枯れてしまうかも知れませんが、ものは試しでこうしてみました。
種の位置がずれないように優しく用土を足し、上の線まで入れました。最後にここにジョウロで優しくたっぷりと、鉢の下から出てくる水が透明になるまでかけます。これで混合用土の微塵が洗い流され、粒と粒の間の空間が確保され、空気がしっかりと入るようになる訳です。そのはずです。
最後に名札を挿して出来上がり。まずはひとつできました。
続いてこちら、ノムラモミジです。これもキッチンペーパーで水分を取っておきます。
種が大きめなので、鉢6分目くらいまで用土を入れ…
こちらもランダムに種を蒔きました。
後は同じくたっぷり水をかけて微塵を洗い流し…
名札を挿して出来上がり。
最後は黒松&トウカエデです。
一旦用土を6分目まで入れ、トウカエデの種を置き…
種が隠れる程度に薄く用土を足します。
その上に黒松の種をパラパラと蒔くのですが、トウカエデの位置は外すようにしました。でもこうやって見てみると被ってる気がします。まあいいか。
後は同様に。用土をかけて微塵を洗い流し、名札を挿して出来上がり。
今日はこの3つだけです。お疲れさまでした!
沈まなかった種を水苔の苗床に蒔く
そうそう、沈まなかった種を蒔くのを忘れていました。
百均で買った半透明のビニール袋です。透明な方が光が入って良さそうなのですが、半透明しか売ってませんでした。
ここに水苔を適当に入れます。手持ちで残っていた水苔を全部入れてみました。袋の1/3〜半分くらいあればいいかと思います。
今回の量はこれくらい。1/4位?しかないかな?これくらいあれば十分です。まずはこれを細かくちぎってほぐしていきました。かなり前に買った水苔もあって、硬く固まってしまっている部分もかなりあったので。
そこにたっぷり水を入れ、もみほぐしながら水を吸わせていきます。最初のうちはなかなか水を吸ってくれず、袋の底にかなり水が溜まった状態になるのですが、ひっくり返しながら全体に水を馴染ませていきました。底に溜まった水がなくなって、水苔全体がしっとりすればOKです。水が多すぎてもそのうち蒸発するので、あんまり神経質にならなくても良さそう。
一旦ぎゅーっと丸めて団子にし、中の空気を抜きつつ固めてみました。
袋を地べたに置くと水苔ボールが崩れて割れ目が出来るので、底に沈まなかった種をばらっとまとめて蒔きました。
袋の外側から手を添えて、水苔が種を包み込むように団子を作り直します。
さっきと同じように空気を抜きながら水苔団子をまとめ、ビニール袋の口を縛ります。これで一旦出来上がり。
こんな感じで盆栽棚にひっかけておきました。ここなら日も当たるし他の盆栽の影にもならないし、発芽するまではこんな感じでほったらかしです。
水苔に水を含ませているときに、こんな小さな木の枝のようなのがたくさん出てきました。これがあっても種の発育には問題ないのですが、水苔をぎゅっと固めた時にビニールを突き破ってしまっても困るので、気付いた範囲で取り除いておきました。輸入品の安いやつだとこういうのをきちんと取ったりしないので、気をつけた方がいいかもです。
今後の管理とか
当面の間、芽が出るまではほったらかしです。土の表面が乾いたらたっぷり水をやるくらい。発芽までは3〜4ヶ月かかると思いますが、楽しみに待ちましょう。
まだ手元にはたくさん種があるので、年内にぜんぶ蒔いてしまいたいところです。それか、縁起を担いでお正月に黒松でも蒔いてみましょうか。
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