今年5月3日に軸切り挿し芽をした五葉松、ふと見てみるとどうにも調子が悪そうなんです。同じトレーに黒松と赤松も軸切り挿し芽をしてあるのですが、どうも水が多過ぎて根がやられてしまったのではないかと推察。このままではまずいと、鉢上げしてしまうことにしました。
五葉松の軸切り挿し芽の状況
まずは五葉松の状況を見てみます。なお、この作業をしたのは11/13。2週間ほど前のことです。


こんな感じ。真ん中縦2個が五葉松です。


拡大するとこんな感じ。






どれも先端が枯れ込んできてしまってます。これは手遅れかな?


せめてこの一番下の芽くらい残ってくれればいいんですけども。これはまだどうにかなるかも?おそらくトレーの下の受け皿に水が溜まっている状態だと、五葉松には水が多すぎるんだろうと思うんです。配合用土も赤玉土がしっかり水を含んでしまうので、これも考慮に入れたいところ。
ということで、植え替えの時期ではないのですが、鉢上げしてしまいます。
五葉松の鉢上げ


植え替え先はこちら、いつもの朱泥鉢です。とりあえず底に鉢底石としてのゼオライトを入れておきました。


早速トレーから苗を抜き出します。


まずは一本。スポッと抜けました。パンパンではまったくないですが、根はある程度しっかり張ってくれているようです。


こちらは2本植わってます。これもきれいに抜けましたよ。では、根の状態を見るために用土を落とします。


用土を落としていきます。水をたっぷり吸っているのでなかなか落ちないです。




まあまあしっかり張ってくれているのでこれは成功なのかな?特に黒くなったりボロボロになったりはしていないので、もしかしたらここから回復できるかも知れません。


こういう枯れてしまった葉は根元から取り除きます。


なんだか寂しくなっちゃいましたねぇ。


軸切り挿し芽の成功率を少しでも上げようと、軸を長めに切ったため、葉から根まで少し間延びしてしまってますね。これくらいならまあ、どうにでもなるでしょう。


よく見ると、根がトレーの四角い形になっちゃってますね。
さて、これを鉢に植え替えていく訳ですが。


まあまあ太い根も何本もあるのですが、まだみんな柔らかい。ということで、どうせ枯れちゃうかも知れないので、根を束ねて根上りにしてみることにしました。


土の中にあった長めの軸の部分に針金を絡げ、根を束ねていきます。形をつけていく時にどんどん針金が絞れてきてしまうのですが、あまりぎゅうぎゅうと絞り上げないように気をつけ、ある程度余裕ができるようにしてみました。


あまり複雑な曲をつけるのではなく、少しだけ、ゆるっと、こんな感じにしてみました。こうやってみると親指あたりの針金が絞れちゃってます。


ということで、針金を少しだけ緩めてみましたが、どうかな?


これを植え付ける用土なんですが、今回は手持ちのものをいろいろ混ぜてみることにしました。配合としては、配合用度2:桐生砂2:鹿沼土1としています。富士砂があればよかったんですが、手持ちがなかったのでこれで。配合比率は適当ですので、これが正解という訳ではないです。が、水捌けをよくしたくて桐生砂を多めに入れています。


鉢底ネットに針金の先を通して、深さを調整しつつ苗を固定します。


針金の切れっ端を使って根の先端が広がるように位置を整えました。


あとは少しずつ用土を足していくのですが、針金で束ねた根の隙間にもある程度用土が入るよう、爪楊枝で突きながらの作業です。


途中はこんな感じ。まああんまり神経質にならなくても、根と根の隙間には微塵が入ってくれるんじゃないかな?それがいいのかどうかは分かりませんが。


これくらいまで用土を入れました。根元の根が生え始める当たりギリギリにしています。というか、たまたまいい具合に収まったんです。


最後に鉢底から出てくる水が透明になるまでたっぷりと水をかけて出来上がり。なお、地上部分は今回は針金を掛けません。あまりストレスを与えすぎると、復活するものもしなくなっちゃうし、そもそも針金を掛けられるほど大きくなっていませんので。
次のに移りましょう。


次の一本はこんな感じ。まあこんなもんかな?よく見ると、根の先端が白くなっている箇所がいくつかありました。まだ根を伸ばそうとしているんでしょうか。まあ、ありがたいことではあります。


これも同じように根を束ねました。ちょっと曲げようとするとすぐに針金が絞れてしまうので、何度も緩めながらの作業。意外に時間がかかってしまいました。


あとはもう同じ。束ねている先の根はできるだけ八方に広がるようにしつつ、用土を少しずつ足していきます。


こちらもたっぷり水をやって微塵を洗い流して出来上がりです。先端は枯れてしまったように見えますが、途中の葉の付け根にいくつも芽あたりのようなものが見えます。これが生きていてくれればいいのですが。
さて、最後のひとつです。




根の先端が白くなっているところ、これ、成長点ですかね。まだ伸びようとしてくれているようですね。ありがたいことです。




発根している根元。けっこうしっかりと太くなってくれてます。これはここのところを活かしたいなぁと思い、根上りにはしないことにしました。


根っこは八方に張っている訳でないですが、量はまずまずあるので、このまま切らないで植えちゃいます。


途中の写真を撮り忘れていたようで、いきなり最終形。左の方に根の先っぽが出ちゃってますが、植え付ける時に爪楊枝やらピンセットやらを使って、出来るだけ根が下に向かうよう、かつ八方に広がるように調整はしています。このちょろっと顔を出している根の先端は後で埋めておきました。


ということで、3本の植え替え(鉢上げ)は終了です。お疲れさまでした!
今後の管理とか
これから寒くもなりますし、施肥はせずに灌水だけにしようと思ってます。ただ、水は少し辛めにしてやろうと思います。それで根がある程度復活してくれればいいのですが(とはいえ、あんまり傷んでいるようには見えませんでした)。あとは来春、新しい芽が吹いてきてくれることを祈るしかないですねぇ。
今年はどうしよう、軸切り挿し芽がけっこうな確率で成功したので、もう一度やってみたいんですが、悩み中。軸切りしてないのがまだたくさんあるんです。
コメント