来春以降少しずつ盆栽の苗を鉢上げしようと思っているのですが、そのための苔を増やしたいと思っていました。どうせ苔を増やすなら、と思い、以前から気になっていたコケリウム、瓶に入れたボトルコケリウムを試してみよう、ということで、作ってみました。ボトルコケリウム初挑戦です。
材料
まずは材料の紹介です。出来るだけ安いもの・手持ちのものを使ってみました。
ボトル(瓶)
今回は百均の蓋つきボトルを使いました。百均といってもかなりしっかりした作りで、一個あたり¥200〜¥300のものです。
今回は背の高いものとちょっと低くて太めのもの、2つを使います。蓋にはゴム?シリコン?のパッキンが付いており、密閉度はかなり高そうです。
今回は購入しましたが、使い終わった何かの瓶でちょうど良いものがあれば、それを使ってみるのもいいかと思います。その際は出来るだけ口の広い、大きめのものを使った方が作業しやすいと思います。
ソイル (用土)
苔を植えるための土台です。数種類を層に分けて使います。
左上が「くん炭」、お米を取り出した後の籾殻を炭にしたものです。粉末とまではいいませんが、かなり細かい炭の粒です。保水と脱臭が目的ですが、炭を入れると苔の緑が濃くなる、というのをネットで見かけましたので、入れてみることにしました。
右上は「ゼオライト」、多孔質の鉱石だそうです。こちらも脱臭効果や水質浄化といった効果があるということで、水腐れや異臭を防止するために入れます。
下がいつものケト土。苔を植えるための土台です。
苔
今回の主役、苔です。今回は「苔を増やしたい」ということでコケリウムを作ろうと思ったのですが、せっかくなのでコケリウムっぽい苔も入れてみようといろいろ探してみました。普通のお店ではなく、ヤフオクやとあるイベントで購入しました。
今回使う苔がこちら。
左上がマンネングサ、右上がスナゴケ、右下はタマゴケとホソバオキナゴケです。
マンネングサはこんな感じ。
この下に軸が付いていて、ヤシの木のようなシルエットです。
こちらはホソバオキナゴケとタマゴケ。
ホソバオキナゴケは山ゴケとも呼ばれ、盆栽用の苔としてはポピュラーです。
ちょっとだけ葉が長く、手触りがとってもいいです。
上から見ると星型のスナゴケは大好きな苔の一つです。乾燥にも強く、盆栽に貼り付けるのにも適していると思います。このスナゴケ、あとでまきゴケにします。何かハイゴケっぽいのも混じっていますね。
そしてこちら、カサゴケです。
引っ張り出してみるとけっこう長い!植える時は切らないといけないですね。
軸の下の方には新芽が!先ほどのマンネングサもこのカサゴケも、地下茎を伸ばして増えていくタイプのようですので(たけのこみたいですね)、ここから新しい芽が出てくれそうです。
流木
かなり前にヤフオクで購入した流木の破片が大量にありました。この機会にちょっと使ってみようかなと思い、いい感じのをいくつか選んでみました。
これ以外のもまだまだたくさんありますが、流木はなくてもぜんぜんかまいません。
ボトルコケリウムの作り方
さて、材料が揃ったところでいよいよです。ボトルコケリウムを作ってみます。作り方についてはいろいろネットで調べた上で、いいかな?と思うものを組み合わせてあります。他にもいろいろな作り方があると思いますので、ご自身で工夫してみるのもいいかと思います。
ボトルの準備
まずはボトルに各種用土を入れていきます。
まずはゼオライトを入れます。
量はこれくらい。1cmくらいでしょうか?特に理由はありませんが、まあこれくらいで。
次にくん炭を入れていきます。
ざばーっと、適当に!
量はこれくらい。イメージとしてはこちらも1cmくらい、ゼオライトと同量くらいを目指しました。
次はケト土の準備です。
ここに本当に少しずつ、水を加えながら練っていきます。
少し水を入れすぎたかな?ということで、ほんの少しケト土を足し、粘りを調整します。
言葉で伝えるのはすごく難しいのですが、固めの生クリーム?くらいの固さです。スプーンですくい、ぽてっと落ちる程度の固さ。ちなみにこのスプーンも百均で買ったマドラースプーンというやつです。
真ん中のあたりにケト土を入れていき…
スプーンの背を使って平らに広げていきます。
瓶の端までしっかり広げ…
こんな具合になりました。量としてはこちらも1cm程度を目指しましたが、ちょっと少なかったようです。
横から見るとこれくらい。あとで分かるのですがこの倍くらい入れてもよかったかな、と思います。
同様にもうひとつ準備しました。そしてもう1工程…
ちょっと固めに練ったケト土団子を入れ…
スプーンで壁に寄せていき…
ちょっとした坂?丘?を作りました。
けっこうしっかり作りました。これでソイルの準備は終了です。
苔の植え付け
さあ、いよいよ苔の植え付けです。苔にはいわゆる「根」がありませんので、植え付けというよりは「貼り付け」の方が近いかもしれません。
まずはこちら、ホソバオキナゴケです。今回の目的その1は「苔を増やすこと」なので、細かくちぎって貼り付けたほうがいいんだと思うのですが、せっかくきれいな塊になっているのでそのまま貼り付けることにしました。
裏側にゆるく溶いたけと土をたらし、
指やスプーンの背で薄く塗り広げます。土台のケト土とうまくくっつくように、と思ってやってみたのですが、必ずしも必要ではないかも知れません。
これを先ほどの斜面に貼り付けます。瓶の中に手が入らず指も届きませんでしたので、手持ちのピンセットを使いました。なければ割り箸でもいいかも知れませんが、安いのでいいのでピンセット、できればちょっと長めのやつを一本持っておくとあとあと便利だと思います。
苔の形と瓶のカーブがうまいこと合ったようです。
ただ乗せるだけではなく、位置を決めたら少し強めにぎゅっと押さえ、苔とケト土が密着するように押さえます。指が届かなければピンセットの背や太い串の後ろなどでもいいです。
次はこちら。うちにある苗床(苔床?)の一部を使います。これが今回一番増やしたいやつです。
これこれ!この苔です!コロニーになっているところがいくつかありましたので、そのうちのひとつを切りはがして使います。
※この辺りから写真を撮っていないみたいです。写真を撮るのも忘れるくらい集中していたのかな?この後マンネングサを植え付けました。
さて、もうひとつの瓶の方。
先ほどと同様にホソバオキナゴケを貼り付けました。
さらに先ほどの苔床からコロニーを切りはがし…
ケト土に貼り付けます。こちらもちょっと強めに押さえます。
こちらはスナゴケ。
根元の方を短く切り…
植え付ける、というか貼り付けました。途中から新しい芽が出てくるのでは?という期待を込めてです。もしかしたらこのまま枯れてしまうかも知れませんが。
そしてカサゴケ。
下の方に出ていた新芽は切り取り、こちらも植え付けます。
ピンセットを使ってしっかり差し込みます。ケト土が少なかったせいで、下のくん炭の層にまで差し込まないと安定しませんでした。
先ほどの新芽も植え付けます。軸の部分はしっかりケト土の中に植え付けます。
他にも幾つか新芽がありましたが、これらも切り離して植え付けて行きました。芽が出ていない軸の部分もケト土に植えてあります。春になったら芽が出てくるかも知れませんね。
さらにマンネングサも植えました。根元のところにでかい塊がありますので、ここから新しい芽が出てきてくれるのでは?と期待しています。
こちらはタマゴケ。このままでは長すぎるので…
三分割して植え付けました。
根の方は裏の方に植え付けました。ぜんぜんきれいではないですが、春になったらここから新芽が出てくるのではないかと期待しています。
好きなところに好きな苔を貼ったり植えたりしていきます。一番楽しく、一番センスの出る瞬間ですね!
だいたい貼り終わったところで終了です。
出来上がり写真と今後の管理
苔の植え付けが終わったら、霧吹きでたっぷり!水をかけます。ゼオライトが半分くらい水に浸かるくらいやっておけば十分かな?
ケト土のせいで水が浸透していかず、沼のようになってしまいました。
中央あたりに太めの竹串を突き刺し、ゼオライトの層まで穴を開けました。こうすることで水がケト土の下に流れ込んでいき、保水されるようになります。
なんとなく、こんなもんかな?本当は手前のスペースにもっとたくさん苔を貼り付けた方がきれいに見えるのですが、向こう側のホソバオキナゴケなどが増えるスペースを確保する、ということであえて開けてあります。全体が覆われるまでどれくらいかかるんでしょう??
もう一個はこんな感じ。奥のホソバオキナゴケの下のところ、ケト土との間に隙間が出来てしまいましたので、流木を置いてみました。なんとなくジャングルっぽい?
ちょっといい感じじゃないですか!?
最後にもう一度霧吹きでたっぷり水をやって終了です。水滴が付いていると中が見えないので、割り箸やピンセットを使ってティッシュで拭き取ってもいいかも知れません。これから冬になりますので、蓋を閉めたままであれば2〜3週間、ないし一ヶ月くらいは水やり不要かも?
冬の間は陽の当たる外に置いておきます。週に一回程度、1時間くらい蓋を取り、外気にさらしてあげるつもりです。そうすると水分がいくらか飛んでしまいますので、乾いてきたな、と思ったらまた霧吹きをする、ということで。
今の季節ではそうそうすぐに育ったり増えたりすることはないと思いますが、外で管理して冬を経験させることで、春暖かくなったら新芽が出て来るのではないか、と考えています。
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コケリウム、丁寧にやればそれほど難しいことはありません。出来上がっているものを買ってくるのが手っ取り早いのですがご自身で作った方が愛着もひとしお!だと思いますので、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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