昨年3月と6月、一昨年植えた百日紅を根伏せしました。無事芽が出てくれたのですが、特に何もしていませんでした。鉢の数を減らしたかったというのもあり、根伏せを幾つか鉢上げすることにしました。
鉢上げといっても、どちらかというと植え替え、あるいは植え直しと言った方が正しいでしょうか。地中に植わっている太根を土の上に出してやる、というのが今回の主目的です。いい感じのがあったらちゃんとした鉢に鉢上げします。
サルスベリの根伏せ 現状
芽が出てくれて安心したせいか、灌水するだけで何もせずほったらかしにしてしまいましたが、どうなっているでしょうか?
ただただ真っ直ぐ、びよーんと伸びてしまっています。さて、どうしましょうかね?
水苔にカビが生えてきてしまっているようです。この水苔は再利用しないで捨ててしまいます。
サルスベリにもちょっとカビっぽい白い粉が吹いていますが、大丈夫なんでしょうか?
鉢上げ作業のやり方
早速鉢上げしていきます。まずは鉢から出さないといけません。
サルスベリを鉢から取り出してバラす
最初に水苔をとってしまいます。
ここまで細根が伸びてしまっていますね。これ、一本ずつバラすのが大変かもしれません。サルスベリは根張りが強烈ですから。
発芽せず黒く枯れてしまったものも何本かありました。
鉢から抜いて土を落としたところ。思ったほど苦労しませんでした。この鉢は数日間水をやっておらず、土を乾燥させておいたのも楽だった理由の一つです。下半分はさすがにまだ湿っていましたが、それでも土がぽろぽろと落ちてくれました。
一本ずつバラしていきます。
なんだかボコッとした塊が出来ています。一瞬長寿梅の癌腫病を思い出したのですが、サルスベリにもそんなのあるんでしょうか。これは後で切り落としてしまうことにします。
これなんかは微妙に失敗ですかね。切り口のところは発芽せず、途中からひこばえのように芽が出ています。
二つ目の鉢に移ります。こちらも同様に、鉢から出して用土を落とし、一本ずつバラします。
こっちは土が湿っていたので少し面倒でしたが、それでも思ったよりは楽にバラせました。
これは特徴的な曲がりがあったのですが、先端からは芽が出てくれませんでした。途中から一本芽が出てくれてます。
特徴のあるものが何本もあります。針金ではなく自然に出来た曲がりなので、不自然さがなく本当に美しいと思います。
鉢上げ作業
全部バラせたところでいよいよ鉢上げです。
まずこれから手をつけましょうか。芽はほぼ真っ直ぐビヨーンと伸びていますので、針金をかけて形を作っていきます。
下の方から針金を巻いていきます。これは細いので1.0mmのアルミ線を使いました。針金を巻く前に、地表に出す部分に生えている根は全部切り落としました。
こういうところから葉が出てくるので、つぶしてしまわないように針金を裏側に逃がします。
真っ直ぐだったものをぐねぐねと曲げました。必ずしもこの長さのまま行くとは考えていません。どの辺から葉が出るかわかりませんが、場合によっては途中で切り戻すこともあると思います。
表皮がバリバリと剥けてしまいますが、これはもう仕方ないので諦めます。針金を外してしばらくすればそれなりに見られるようになると思います。針金の食い込み傷だけ気をつけます。
これは乾燥を防ぐため、一旦バケツの水に放り込んでおきました。
次はこちら。これも地表に出す部分の細根・ひげ根は全部切り落とします。この写真は切り落とした後のもの。
この辺の細根も切り落としました。
けっこう大きく立派で、しかもいい感じに曲がりが付いているので、これは鉢上げ候補です。いろいろ鉢を合わせてみましたが、この時点では結論が出ていません。
この瘤は全部切り落としました。
ちょっと傷になってしまったかも知れませんが、そのうち治るでしょう。多少ボコボコするのもまた味になるかも知れません。
一番太いやつから巻いていきます。この根からは3本目が出てくれましたが、最終的に残すのは一本だけです。もしうまくいかなかったら、という思いがあってまずは他の2本も残してあります。
やっぱり他のがあると邪魔になってしまいうまいこと曲げられませんでしたので、切っちゃいます。
切り落として針金をかけていきます。
あっ!!…やってしまいました…
裂けたところから上は諦めて切り落としてしまいました。成長点というか発芽ポイントである芽がちゃんと残っているか不安です。探したけどそれっぽいのが見つけられませんでした。
結局この鉢に合わせることにしました。先ほど枝が裂けてしまったので動揺して写真を撮っていないのですが、針金で軽く根を束ね、角度を調整しています。
この位置で指で押さえ、用土を入れていきます。半分くらい入れたところで用土を針金で突き、細根の間にきちんと用土が入るようにします。
これくらい入れてさらに針金で突きます。用土がどんどん入っていくのがわかると思います。
最後に鉢ごとバケツの水に浸け、しっかり水を吸わせます。鉢の下から出てくる水が透明になるまでなんども上下しました。
んー、これ、いい感じなんですよね。うまいこと芽が出てくれればいいんですが…
次はこちら。上の方の細根をきれいに落とします。
これくらいまできれいにしました。こんな位置で植え付けたらいいでしょうか。これを見越して針金を掛けてみます。
上はこんな感じに曲げてみました。この根からは2本芽が出てくれているのですが、実際に使うのは1本。でももう1本は捨て枝として残し、根張りと幹の太りを促進します。ある程度根がついて幹が太ってきたら、早めに切り落とすつもりです。
針金で太い根の位置を調整し、揃えました。
この上の部分は必要ないので切り落としました。
こんな感じ。木が落ち着いてこの断面周辺が乾燥したら、ナイフか何かでもう少し形を整えた方がいいかも?
先端には種が出来ていました。本来であればもう弾けているはずなのですが、まだ固いままです。種は期待しない方がいいでしょうね。
針金を掛けている途中、また裂けてしまいました。サルスベリは曲げるだけなら比較的耐えてくれるのですが、どうも捻りに弱いようです。私は針金を掛ける時に捻りながら曲げていくことが多いのですが、サルスベリは捻ってはいけないみたい。
これも一旦保留ということでバケツの水に浸けておきます。
こんな感じで作業を進め、針金を掛けてはバケツに放り込みました。
これなんかはもうどうしようもないなぁ、って感じですね。根というか本体が短すぎます。
と言いながらも針金を掛けてみました。これはこれで悪くないかも?豆鉢に入れて極小盆栽のネタになるかも知れないです。
これ、真っ直ぐでイマイチ面白くないなぁ、って思ったんですが…
根が平たく八方に張ってくれています。これだったら浅い鉢にも植えられるような気がします。
緩く吹流し風にしてみました。長さのバランスはちょっとわからないので、一旦これくらいで。場合によっては切り戻します。
これは先日購入した浅い鉢に植え付けてみることにしました。
そもそもが浅いので大した量の用土を入れることは出来ませんが、1/3くらいの深さまで用土と元肥を入れ、位置を合わせます。
動かないようにしっかり抑える、というのはなかなか難しかったのですが、1本は時計回り、もう1本は反時計回りでぎゅっと押さえ、ある程度は動かないように出来たと思います。これから葉が出てきて成長し、幹が太ってきた時に針金が食い込む前に取り外せるよう、幹に針金を巻きつけるのは土の上になるようにしてみました。
針金の切れっ端で根の位置を調整しています。根が土の下に入るようとぐろを巻かせています。
しっかり用土を入れてバケツの水に浸けました。こんなに浅い鉢に植えたのは初めてなので、きちんと根付いてくれるかどうかちょっと心配ではあります。
この最後のやつはそれほど複雑な形をしている訳でもないのですが、根が少なく細いので、これも浅い鉢に植えてみることにします。
こんな鉢があったので使ってみます。これはちゃんと針金を通す穴が開いていますね。
同様に用土を入れて位置を決め、針金で固定します。
針金をL字型に曲げ、根を抑えて位置を調整しました。出来るだけ八方に広がるように、また用土の下にちゃんと入るように抑えます。
固定用の針金がとても不恰好ではありますが、一応きちんと固定出来ています。先端の方、針金から先は捨て枝として残してあります。こちらもある程度木が落ち着いて太ってきたら切り落とすつもりです。
残りの分は一つのプラ鉢に植え付けてしまいます。その状態でまた来年の今頃まで置いておくつもりです。
出来るだけ根が干渉しないように位置を決めていきますが、さすがに2鉢分なのできついですね。本来ならこの鉢ひとつに1本でもいいくらいなんですが、そんなスペースはありませんので、これで我慢してもらいます。
用土を半分くらいまで入れたらまた針金で突いて細根の間に用土をしっかり入れていきます。この鉢は特に細根がたくさんあるので、念入りにやります。
さらに用土入れ針金で突く、を繰り返し、しっかり用土を入れました。ちゃんと入っているかはかなり不安ですが。最後にバケツの水に浸け、たっぷり用土を吸わせます。下から出てくる水が透明になるまで繰り返しました。
作業はこれで一旦終了です。お疲れさまでした!
サルスベリの種
先ほどの種、念のため割ってみました。
スカスカでした。
ふた粒だけ、ちょっと膨らんでいるのがあったので、これは苗床に蒔いておきました。生えてこないとは思いますけれど。
ギャラリー
記念撮影です。
こちら、きちんと根付いてくれるでしょうかね?比較的いい形のものもあるので、みんなきちんと育って欲しいものです。
これなんか、好きなやつです。
どちらもなんとなく吹き流しです。
だいぶ皮が裂けちゃってますね。まあこれなら大丈夫でしょう。
針金が見苦しいですが、根が伸びて落ち着くまでの我慢です。
ちゃんと手のひら盆栽になっています。
そしてこちら。比較的大物です。
裂けちゃったところのちょっと上で切ってしまいましたが、これは切らなくてもよかったかも知れません。
立ち上がりの部分も面白いことになっているので、この一本はぜひ葉が出てきて欲しいものです。
最初の2本は小さい上に浅い鉢で用土の量がとても少ないので、乾燥には十分注意します。一月くらいで新芽が出てきてくれるのではないでしょうか。
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